切られの与三@シアター・コクーン 2018/05/15

IMG_0629七之助の魅力が炸裂。少し寂しげで少し甘ったれで少し悪くて色っぽい。でもって奥底に秘めたキラキラした生命力がここぞという時に閃光を放つ。

それだけで充分。満足すべき舞台。
でも、コクーン歌舞伎としては、いささか不満ではある。

以前から感じていたことだが、勘三郎の出ないコクーン歌舞伎は串田和美の演出が勝ち過ぎる。演出過剰な舞台は、オリーブオイルを使い過ぎたイタリアンのようなもので、素材の味が希薄になる。今回もその気味があった。
例えば……。与三郎の名台詞「しがねぇ恋の情けが仇」以降にジャズの生演奏を被せてリズム感を強調するところ。おそらく、今の七之助では、素で聴いたら物足りない可能性はあるとは思うが、この演出は明らかに役者の最大の芸である台詞回しの魅力を削いでいる。
加えて、過剰かどうかという話とは別に、串田演出全体に力感の薄まりを感じた。それが、あえて選んだ今回の方向性なのかどうか。
すでに勘三郎亡き今、そしてこれから、コクーン歌舞伎がどうなっていくのか。若手のさらなる台頭も期待しつつ追いかけさせてもらいたい。

とはいえ、七之助与三郎と梅枝お富の出会いの場面、元の歌舞伎版を視覚的にブラッシュアップした演出は光った。

 

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