The Chronicle of Broadway and me #7

★1989年5月(その3)

前年の『Speed-The-Plow』で痛い目に遭ったにもかかわらず、再びストレート・プレイに挑戦したのがNeil Simon’s Rumors(@Broadhurst Theatre 1989年5月 6日 14:00)。理由は当時「ニール・サイモン戯曲集」を読んでいたから。早川書房から「4」まで出ていた。最初は神保町の矢口書店で「1」と「2」を古本で買い、「3」と「4」は新刊を買ったと思う。要するに、ニール・サイモンに少しばかり入れ込んでいたわけで、そのサイモンの新作が登場したとあっては観ないわけにはいくまい、と。そんな感じ。
で、わかりませんでした(苦笑)。同作の入った戯曲集「5」が翻訳で出るのは4年後。読んで、なるほど、と思うほども覚えていませんでした。というわけで、次へ。

スティーヴン・ソンドハイム楽曲によるInto The Woods(@Martin Beck Theatre 1989年5月6日 20:00)。「#4」で触れたが、前年のトニー賞で強敵『The Phantom Of The Opera』を向こうに回して、楽曲賞(スティーヴン・ソンドハイム)、脚本賞(ジェイムズ・ラパイン)、主演女優賞(ジョアンナ・グリースン)を受賞している。これが英会話初心者にもわかる部分が多い作品で、面白く観た。
当時の感想は次の通り。
<よく知られた(と言っても3つ目の話は知らない)3つの童話「シンデレラ」「ジャックと豆の木」、それに子宝に恵まれないパン屋夫婦の話が、森の中で入り乱れて進む。赤頭巾なんてのも出てくる。スピーディな展開と自己批評性を持ったギャグとで観る者を飽きさせない。
全2幕の第1幕では、すべてがうまく転がって、みんなハッピー・エンドを迎える。ところが第2幕に入ると一転して、すべてが信じられないくらい悪い方へ悪い方へと向かう。なんたって、人が次から次へと死んでいくんだから。そしてフィナーレで子供たちに向かって歌われる「Children Will Listen」を聴く頃には、人の生き方について考えてしまっている。大いなる寓話ミュージカル。>
子宝に恵まれないパン屋夫婦の話は童話ではなかったが、もう1つ出てくる童話が「髪長姫」こと「ラプンツェル」で、その話の発端、妊娠した妻のために隣に住む魔女の庭の植物ラプンツェルを夫が盗むという、ここには出てこないエピソードが、パン屋夫婦に呪いをかける魔女という形でこの作品に反映されているように思われる。いずれにしても、童話が出てくるからといって子供向けというわけでは全くなく、むしろエロティックな要素の多い内容。個人的には未見だが、2004年の宮本亜門演出版以降何度か日本語上演もされているので、その辺はご承知かと思う。
特筆すべきは、楽曲。ソンドハイム(作曲・作詞)の諸作の中でも、とりわけ楽曲のポピュラリティが高い。ことに導入部の「Into The Woods」とフィナーレの「Children Will Listen」は記憶に残る。ソンドハイムとの幸せな邂逅だった。
なお、観たのが開幕から1年半後ということもあり、バーナデット・ピータース(魔女)も主演女優賞のジョアンナ・グリースン(パン屋の女房)もすでにいなかったが、パン屋はオリジナル・キャストのチップ・ジエンだった。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中