[Tony2018] Once On This Island@Palace Theatre(1633 Broadway) 2017/11/29

onceonthisisland『Once On This Island』は、スティーヴン・フラハーティ(作曲)×リン・アーレン(作詞)コンビの出世作で、演出・振付が後に『Ragtime』で再び組むことになるグラシエラ・ダニエル。オフから移ってのブロードウェイ初演は1990年10月に幕を開けている。翌年の6月と7月に観ているが、その時の感想は次の通り。
<小ぢんまりとした劇場で熱いステージを見せてくれたのが、『Once On This Island』
場所はフランス領アンティル諸島のとある島。時はある嵐の夜。登場する 11人はオール黒人キャストで、The Storytellers とプレイビルには書いてある。嵐を怖がって泣いている子供に、島の人々が“ある女の子の恋の物語”を話して聞かせる、という設定だ。
そのお話は、表向きは人魚姫に似た悲恋物語だが、被抑圧者からの階級的視点も持っている。素晴らしいのは、生命力溢れるダンスと躍動的で豊かな音楽、そして、それらを見事に生かした、残酷さと温かさを併せ持った幻想的な演出。
ここでは特に音楽の話を。
ブロードウェイ・ミュージカルの音楽として異色なことは、バック・ミュージシャンの編成を見てもわかる。計5人で、キーボード+ピアノ、キーボード、ベース、パーカッション、木管。奏でられるのは、パーカッションを強調したカリブ風ゴスペルといった趣のサウンドだ。舞台になったフランス領アンティル諸島と言えばマルティニークが思い浮かぶが、ここでの音楽は、マラヴォアやカリの音楽ともズークとも違う。むしろ、その南に位置するトリニダッド・トバゴのカリプソの要素が強い。
もちろんブロードウェイ伝統のオペレッタ的要素が下地になってはいるが、歌唱法は明らかにアフリカ的傾向を重視していてダイナミック。コーラスワークも魅力的。>
カリブ海文化を反映した濃い内容と音楽に感銘を受けている。この時の主演の少女が、今『Summer:The Donna Summer Musical』に出ているラシャンズ。
間に2012年のペイパーミル・プレイハウス公演を挟んで、個人的には今回が3つ目のプロダクションとなるが、これまで以上にカラフルな印象。それはもっぱら装置や衣装の色合いのせいだが、役者たちが開演前から、サークル・イン・ザ・スクエア劇場ならではの客席に囲まれた中央の舞台上で、島の生活の日常のごとくにワサワサと動き回っているという雰囲気もある。過去の2公演は、寓話というよりも神話に近い印象の内容に合わせて、衣装の鮮やかさ等を超えて、深い暗闇を感じさせた。アフリカからカリブに伝わった呪術的な暗闇。
今回の舞台は、そうした空気は引き継ぎつつ、そこに今日的で現実的な“難民”のイメージをダブらせようとしたんじゃないかという気がする。劇中劇に入る前の日常の装置や衣装にアメリカ文化を感じさせるアイテムを紛れ込ませてあるのも、そういう意図かな、と。ただし、その辺りは、成否相半ばかも。
とはいえ、元々がよく出来た作品なので、観る価値は大いにあります。演出はリヴァイヴァル版『Spring Awakening』のマイケル・アーデン、振付はカミール・A・ブラウン。

★from WEBsite Misoppa’s Band Wagon (05/01/2018)

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