六月大歌舞伎@歌舞伎座 2018/06/11

●昼の部

妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)~三笠山御殿

文屋(ぶんや)

野晒悟助(のざらしごすけ)

●夜の部

夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)~鳥居前~三婦内~長町裏

巷談宵宮雨(こうだんよみやのあめ)~深川黒江町寺門前虎鰒の太十宅の場より深川丸太橋の場まで

 

「妹背山婦女庭訓」

ちょっと苦手な演目。だからというわけではないが、途中どうしても外部と連絡をとる必要があって、20分ほど抜けた。なので、松也の求女、新悟の橘姫、芝翫のおむらを観ていない。観たのはもっぱら、松緑の鱶七実は金輪五郎今国と、時蔵のお三輪。
時蔵のお三輪には、例えば七之助ぐらいの本当に若い役者がやるのとは、また別の何かがある。あたりまえだが。その辺に歌舞伎の面白さの秘密があるんだろうな。

「文屋」

先月の「喜撰」に続いて、菊之助の六歌仙の踊り。
「喜撰」では重力を超越しているようだったが、今回も軽妙でありつつブレがない。うっとりする。

「野晒悟助」

黙阿弥の侠客もので、五代目菊五郎による初演だったとか。当世菊五郎にもぴったりの役回り。
見どころの一つは、菊五郎、菊之助の男伊達どうしの対峙。それを止めに入る團蔵、という絵柄もうれしい。
悟助に一目惚れする大店の娘米吉の下女役で登場する橘太郎って配役も楽しい。
悟助の子分役の権十郎も、いつもより見せ場が多くていきいきしている。
……てな具体で、菊五郎劇団の、ことに世話物は、いつ観てもいい。

「夏祭浪花鑑」

吉右衛門の団七九郎兵衛、女房お梶が菊之助。錦之助の一寸徳兵衛、その女房お辰が雀右衛門。釣船三婦が歌六で女房おつぎが東蔵。よく考えると、夫婦ものばかりだ。
この演目、最初に観たのがコクーンの勘九郎(当時)で、以降、コクーンと中村座で観続けてきたので、どうしても比較してしまう。そうすると、吉右衛門は、味わいはあるが、品もありすぎるように見える。
最後の「長町裏」。義父三河屋義平次(橘三郎)との立ち回りは、観ている方も息がきれる。

「巷談宵宮雨」

宇野信夫作、昭和10年初演の新作歌舞伎。これが面白かった。
破戒坊主とその甥夫婦。小悪人ばかりの腹の探り合い。
六代目菊五郎が初演し、十七代目勘三郎が育んだ破戒坊主龍達を、芝翫がノリにノって演じるのが楽しい。
甥夫婦は松緑と雀右衛門。雀右衛門が、いつもと違う汚れ役でいきいき。松緑との息も合っている。
ここにも橘太郎が登場。身体を壊した薬売り役で、よろよろしながら坂をズリ落ちるところはシビレた。
昼の部の「野晒悟助」に続いて、児太郎が不憫な娘役。

しかし、歌舞伎狂言の女性に対する価値観は正直ひどい。昔の芝居とはいえ、そこにうんざりする人がいてもおかしくない。伝統芸だから、とばかり言っていられない日が近い将来やってくるかも。

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