The Chronicle of Broadway and me #11

★1989年5月(その7)

2度目のブロードウェイ訪問の最後は『Anything Goes』(@Vivian Beaumont Theatre 1989年5月10日 20:00)の再見。
主役のリノ・スウィーティ役がパティ・ルポンからレズリー・アガムズに替わっていたのをはじめ、キャストの変更が代役も含め、かなりあった。とはいえ、仕上がりに不満なし。楽しく観た。当時の感想には、レズリー・アガムズの方がパティ・ルポンより優雅だ、と書いてある。
極東の島国からの“偶然の旅行者”をブロードウェイにつなぎとめてくれたソング&ダンスの逸品は、最終的に、この年の9月3日に幕を下ろしている。

1989年のトニー賞にも触れておこう。

この年のミュージカル作品賞候補は『Jerome Robbins’ Broadway』『Black And Blue』『Starmites』の3作品しかない。
『Starmites』は1989年3月24日プレヴュー開始、4月27日正式オープンした作品で、作品賞の他に、主演男優賞(2人)、主演女優賞、演出賞、振付賞で候補になっていたが、受賞なし。そのせいか、6月4日の授賞式から間をおかない同月18日にクローズ。短命に終わっている。こうなってみると、なぜ観ておかなかったかと悔やまれるが、思い返すに、「Star」と付いているのが『Starlight Express』を連想させたからだった気がする(苦笑)。

このシーズンは、もう2作、短命だった作品がある。どちらも渡米時にはすでに幕を下ろしていた作品だ。
1つは『Legs Diamond』。1988年10月25日プレヴュー開始、12月26日正式オープン、翌年2月19日にはクローズ。作曲・作詞・主演が“The Boy From OZ”ピーター・アレンで、脚本にはハーヴェイ・ファイアスタインが加わっている。トニー賞で助演女優賞、振付賞、衣装デザイン賞で候補になり、受賞なし。
もう1つが『Welcome To The Club』で、3月27日プレヴュー開始、4月13日正式オープン、4月22日クローズと超短命。なんと、サイ・コールマンが、作曲のみならず作詞と、さらに共同プロデュースまで手がけている。トニー賞では助演女優賞と演出賞で候補になっているが、受賞せず。

結局トニー賞は『Jerome Robbins’ Broadway』『Black And Blue』が分け合うわけで、前者が、作品賞、演出賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、照明デザイン賞、後者が、振付賞、主演女優賞、衣装デザイン賞を受賞。
この2作は確かに充実した出来だったが、いずれも筋のないショウで、おまけに楽曲は全て既成曲。だからだろう、この年のトニー賞には、楽曲賞とミュージカル脚本賞のカテゴリーがなかった。つまり、それだけ不作だったということだ。

なお、#4で書いたように、リヴァイヴァル作品賞がミュージカルとプレイに分かれるのは1994年から。この年のリヴァイヴァル作品賞の候補になったミュージカルは『Ain’t Misbehavin’』1作で、受賞はしていない。やはりミュージカルとプレイの区別がなかった装置デザイン賞も、『Black And Blue』が候補になっていたが、プレイが受賞している。

(追記)

このシーズン、短命のミュージカルが、さらにもう1つあった。The 1st Chinese-Jewish Musicalと銘打たれた『Chu Chem』がそれで、前年の暮れにオフのジュウィッシュ・レパートリー劇場で上演された後にブロードウェイに進出。1989年3月17日にプレヴュー開始、4月7日正式オープン、5月14日クローズ。

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