The Chronicle of Broadway and me #22

★1991年6月~7月(その5)

『Once On This Island』(@Booth Theatre 1991年6月5日 20:00 & 7月21日 15:00)初演時の感想は、2017/2018シーズンのリヴァイヴァル版の感想([Tony2018] Once On This Island)に引用した。再掲しておく。

<小ぢんまりとした劇場で熱いステージを見せてくれたのが、『Once On This Island』
場所はフランス領アンティル諸島のとある島。時はある嵐の夜。登場する 11人はオール黒人キャストで、The Storytellers とプレイビルには書いてある。嵐を怖がって泣いている子供に、島の人々が“ある女の子の恋の物語”を話して聞かせる、という設定だ。
そのお話は、表向きは人魚姫に似た悲恋物語だが、被抑圧者からの階級的視点も持っている。素晴らしいのは、生命力溢れるダンスと躍動的で豊かな音楽、そして、それらを見事に生かした、残酷さと温かさを併せ持った幻想的な演出。
ここでは特に音楽の話を。
ブロードウェイ・ミュージカルの音楽として異色なことは、バック・ミュージシャンの編成を見てもわかる。計5人で、キーボード+ピアノ、キーボード、ベース、パーカッション、木管。奏でられるのは、パーカッションを強調したカリブ風ゴスペルといった趣のサウンドだ。舞台になったフランス領アンティル諸島と言えばマルティニークが思い浮かぶが、ここでの音楽は、マラヴォアやカリの音楽ともズークとも違う。むしろ、その南に位置するトリニダッド・トバゴのカリプソの要素が強い。
もちろんブロードウェイ伝統のオペレッタ的要素が下地になってはいるが、歌唱法は明らかにアフリカ的傾向を重視していてダイナミック。コーラスワークも魅力的。>

元々は1990年の5月にオフのプレイライツ・ホライズンズ劇場で 3週間の限定公演を行なった作品で、その好評を受けてか、同年10月からオンの劇場に移ってロングランを始めている。この年の暮れまで続いた。

この作品で初めてグラシエラ・ダニエル(演出・振付)という名前を知り、以来脳裏に刻み込まれた。作曲スティーヴン・フラハーティ、脚本・作詞リン・アーレンのコンビも同様。

なお、引用文中のマラヴォア、カリというのはバンドの名前です。

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