あなたの初恋探します@オルタナティブシアター 2018/07/24 19:00

初恋の人を探す商売って聞き覚えがあるなあ、と観る前に思って自分のサイトの観劇リストを検索したが出てこない。劇場で観始めたら、やっぱ見覚えあるんだけどなあ、デジャヴュか? って感じになり……。カーテンコールで背後に英語タイトルが映し出されてわかった。1年前に観た『ファインディング・ミスター・デスティニー』の再演、正確に言えば再々演だったんだ。しかし、ややこしい。
元々は韓国のオリジナルで、2006年に始まってロングラン・ヒット……と言うが、切れ目なく続いているのかどうかは不明。ごぞんじの方があったら教えていただきたいが。ともかく、ハングルの原題は『김종욱 찾기』(キム・ジョンウク探し)、英語タイトルが『Finding Mr. Destiny』。それが2010年に映画化され、2011年に日本で公開される際、『あなたの初恋探します』という邦題が付いた。と、そういうことでよろしいでしょうか。で、2016年に日本でも舞台版をやることになり、付いたタイトルが『キム・ジョンウク探し〜あなたの初恋探します〜』。キャストを替えて翌年に再演した際のタイトルが『ファインディング・ミスター・デスティニー』。で、今回が日本初演のキャストで再々演の『あなたの初恋探します』
どんな事情があるのかわからないが、観客の立場から言えば混乱の元。あまり誉められたことではない。

とはいえ、中身はよくできている。
ヒロインは活動的な若い女性(この設定がポイント)。戦場取材に行かせてほしくて提出した、新聞社の上司を脅すつもりの見せかけ辞表を受理されて失職。放浪の旅に出ようとするも父親に叱責され、結婚を促される。ってのが事の発端。
もうひとつの発端は、会社員としてはちょっとズレてる若い男が社長の不興を買ってクビになるが、ひょんなことから初恋の人を探す商売を思いつく。
二人が出会うのは、ヒロインが父親に押し付けられた見合いの相手から逃れるために、結ばれるなら初恋の人と、と言い出したため。その人とはインドで出会ったのだが、わかっているのは名前だけ。それがキム・ジョンウク。そして始まるキム・ジョンウク探しだが……。

この後、三転はしないが二転ぐらいする話も、そこそこ意外性があって面白いのだが、それ以上に面白いのが役者3人のコンビネーション。
この舞台、3人しか出演しないのに役数は25。数えてないけど、公式発表を信じれば。
ヒロイン役者は1役。初恋探し業の男役はキム・ジョンウクを兼ねて2役。で、残り22役を1人が演じる。これが肝。3人の緊密なやりとりと、本筋とは別に、3人目の役者が、いつ、どんな役で次に出てくるのかを楽しむ構造。
昨年のキャストは、ヒロイン=玉置成実、初恋探し業=高田翔(ジャニーズJr.)、第三の男ときどき女=坂元健児。初演及び今回が、ヒロイン=彩吹真央、初恋探し業=村井良大、第三の男ときどき女=駒田一。
去年もけっこう楽しんだ記憶があるが、今年のキャストはかなり強力。同じメンバーでの再演だからということもあるのか、まずは非の打ち所のない出来。宝塚歌劇を観てきた者としては、彩吹真央って女優になってもうまいな、と感慨深い。この役がハマリ役だということもあるのだろうが。

オリジナル・スタッフは、作曲/Hae Sung Kim、作詞・脚本/You Jeong Chang(発音の仕方をご教示ください)。日本版は、脚本・演出/菅野こうめい、振付/広崎うらん。バンドが素晴らしく、音楽監督・キーボード/かみむら周平、ギター/窪田晴男、ベース/バカボン鈴木、ドラムス/山下嘉範。

それにしても、このレヴェルの国産ミュージカルが、なぜ作れないかなあ。

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