The Chronicle of Broadway and me #37

★1992年12月~1993年1月(その1)

8度目のブロードウェイは1992年の大晦日から1993年初頭にかけて(37歳)。

1993年の俯瞰は次の「1993年5月~6月」の項に回すが、1993年の1月にアメリカ大統領が交代していることは書いておく。父ブッシュからクリントンへ。共和党から民主党へ。
ただし、ニューヨーク市長について言えば、民主党のデイヴィッド・ディンキンズ時代は1993年で終わり、翌年から共和党のルドルフ・ジュリアーニに替わる。

初の冬の渡米。観劇リストは次の通り。

12月31日 22:00 Forbidden Broadway@Theatre East 211 E. 60th St.
1月 1日 12:30 The Big Apple Circus@Lincoln Center Damrosch Park
1月 1日 20:00 My Favorite Year@Vivian Beaumont Theatre/Lincoln Center
1月 2日 14:00 Madison Avenue@Lonestar Roadhouse 240 W. 52nd St.
1月 2日 20:00 Gypsy Passion@Plymouth Theatre 236 W. 45th St.
1月 3日 15:00 Tommy Tune Tonite!@Gershwin Theatre 222 W. 51st St.
1月 3日 19:00 Jacques Brel Is Alive And Well And Living In Paris@Village Gate 160 Bleeker St.
1月 4日 11:00 Christmas Spectacular@Radio City Music Hall 1260 6th Ave.
1月 4日 20:00 Crazy For You@Shubert Theatre 225 W. 44th St.
1月 5日 20:00 Manhattan Moves@American Place 111 W. 46th St.
1月 6日 15:00 Hello Muddah, Hello Faddah!@Circle In The Square(downtown) 159 Bleecker St.
1月 6日 19:30 La Boheme@Metropolitan Opera House/Lincoln Center
1月 7日 20:00 Ruthless!@Players Theater 115 McDougal St.

なぜ、この時期に飛んだのか。今となってはまるで覚えていないが、考えられるのは、『Tommy Tune Tonite!』の終了に合わせて、か。1月3日は日曜だから、観た昼公演が最終公演だったはず。当時のトニー・テューンは注目の的だった。
いずれにしても、この回は、堰を切ったようにオフの劇場に足を運んでいる。目玉は最終日の『Ruthless!』だが、とりあえず、ここではミュージカル以外について簡単に触れておく。

『The Big Apple Circus』はホリデイ・シーズンにリンカーン・センターの敷地内にテントを立てて行なわれていたサーカス。
<規模は大きくなく、演出もハッタリが少ないが、よく練られていて、とても楽しい。>と当時の感想に書いてある。すでに記憶の彼方だが、<ゲストとして出演していたシーザーという人のスピード感のあるパントマイム芸が、他ではちょっと観られないもので、感心した。>ともある。
2016年に倒産するが、再建されて昨年暮れからのホリデイ・シーズンには無事リンカーン・センターでの公演が行なわれたようだ。

『La Boheme』はご承知の通りプッチーニのオペラ。日本では1988年に公開された映画『月の輝く夜に』(Moonstruck)に影響されての観劇。$55でオーケストラ後方の席。
出演者は、ミミ=レオナ・ミッチェル、ロドルフォ=リチャード・リーチ、ムゼッタ=ダイアナ・ソヴィエロ、マルチェッロ=クリストファー・ロバートソン、ショナール=ヴァーノン・ハートマン、ショナール=ヤン=ヘンドリック・ローテリング、という布陣。指揮ジョン・フィオーレ。
当時の感想を読むと、第二幕の大人数に驚いている。

The Chronicle of Broadway and me #36

★1992年7月(全)

1992年7月、7度目のニューヨークは仕事絡み。初めてブロードウェイ・ミュージカルを観る執筆者の方を案内しての渡米だった。そんなこともあって、6本中5本が再見(★)。#30で書いた『Jelly’s Last Jam』中断事件が起こったのは、この時。

7月22日 20:00 Five Guys Named Moe@Eugene O’Neal Theatre 230 W. 49th St.★
7月23日 20:00 Jelly’s Last Jam@Virginia Theatre 245 W. 52nd St.★
7月24日 20:00 Crazy For You@Shubert Theatre 225 W. 44th St.★
7月25日 14:00 Guys And Dolls@Martin Beck Theatre 302 W. 45th St.★
7月25日 20:00 Cats@Winter Garden Theatre 1634 Broadway★
7月26日 15:00 Tubes@Astor Place Theatre 434 Lafayette St.

初見の『Tubes』は、今ではすっかり演者である「Blue Man」の方がタイトル化してしまったが、元々の演目タイトルはこちら。ブルー・マン・グループによるパフォーマンスがパブリック・シアター向かいのアスター・プレイス劇場で幕を開けたのが1991年。その翌年の観劇だったわけで、話題の舞台として観客の熱が(最初の)ピークを迎えつつある、という気配を感じた。
ウナギの寝床のように細長い劇場で繰り広げられる驚いて笑えるパフォーマンスの数々については多くの方がご承知かと思うが、よく練られたパーカッション演奏が基本にあることがロングランを支えていると思った。
印象的だったのは、開演前、いろいろと笑える案件が掲出されていた電光掲示板にジェファーソン・エアプレインの「White Rabbit」(1967年)の歌詞が流れた始めたら会場全体が歌いだしたこと。日本では音楽好きの間でも認知度が高いとは言えないこの楽曲が、
アメリカではこんなに有名なのか、と、当たり前のことながら驚いた。
レイト・カマー(遅刻者)をいじるのが仕込みなのは後の2度目の観劇時にわかったが、途中で舞台に上げる観客が日本人の女性である確率が高いのも意図的だったのか。プロデューサー、出口最一氏に尋ねたことがあるようなないような(笑)。

その出口氏とお話しする機会を得るのはもう少し先だが、この時には、同行した執筆者の取材で現地の日本の方何人かにお目にかかった。
その人脈に後々いろいろと助けられることになる。ことに、正規のチケット・エージェント業を営んでいたMご夫妻にはお世話になった。
そういう意味では、新たに観た演目が『Tubes』のみだったにもかかわらず、結果的に実り多い渡米となった。