雑誌「エリス」第41号 2024/03/14

 私の連載「ブロードウェイまで12時間と45分」が載っている音楽誌「ERIS」第41号が配信になりました。メールアドレスの登録により無料で読むことができます。
 こちらからどうぞ。

 連載の今号のサブタイトルは「ジューイッシュとラティーノとブロードウェイで」
 昨秋ブロードウェイで観た新作ミュージカル『Harmony』を鳥羽口(とばぐち)に、アメリカン・ミュージカルにおけるユダヤ人のことを考えていたら、ロジャーズ&ハマースタインや『West Side Story』を経て、ポール・サイモンの作った”失敗作”『The Capeman』にたどり着いた、という「風が吹いたら桶屋が儲かる」式の話です。
 サブタイトルのネタ元はサイモンの1972年のヒット曲「僕とフリオと校庭で」。同曲や翌年リリースの名曲「アメリカの歌」に込められた少年時代からのサイモンの思いが後のブロードウェイ・ミュージカルにまでつながっているのではないか、という、例によっての我田引水気味な論考。その強引な筋運びをお楽しみいただければ、と(笑)。

 私以外の記事は次の通りです。
 巻頭は「大滝詠一『イーチ・タイム』40周年の考察」。ブライアン・ウィルソン・バンドのキー・パーソンの1人で大のナイアガラ・ファンでもあるダリアン・サハナジャの特別寄稿(翻訳/丸山京子)。萩原健太編集長の解説付き。
 ゲストによる詳細なアルバム解説が楽しめる「More Than Liner Notes」は、片山伸さんによるイエス『サード・アルバム:スーパー・デラックス・エディション』。
 連載陣は掲載順に、天辰保文/ジュディ・シル、ピーター・バラカン/デザート・アイランド・ディスクは最長・最強の企画です!、能地祐子/ザ・細かすぎて伝わらない? グラミー賞クラシカル部門を読む、岡本郁生/ウィリー・コロンの慧眼とルベン・ブラデスの才能、北中正和/ヨーロッパ年間チャートとグラミー賞から見たワールド・ミュージックの拡散、高田漣/ジェリー・ガルシアをめぐるロング・トリップ 5、亀渕昭信/エヴァリー・ブラザーズの巻[中篇Ⅲ]〝Bye Bye Love〟、鷲巣功/なぜ洋楽なのか。またまた幅広いジャンルの面白い原稿満載です。
 ちなみに、いつも少々異端な私の連載が、今回はルベーン(ルベン)・ブラデスで岡本郁生さんのラテン関連記事とつながってます。あと、原稿執筆にあたり、ポール・サイモンとリアノン・ギデンズ絡みの事実関係については、ユジャ・ワンのグラミー受賞の喜びを勝手に分かち合った能地祐子さんから貴重な助言をいただきました(もちろんユジャの受賞作についても上記の能地さんグラミー賞記事内にあります)。

 というわけで、拙稿「ジューイッシュとラティーノとブロードウェイで」、ご一読いただければ幸いです。

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