The Chronicle of Broadway and me #657(Betwixt!)

2011年7月@ロンドン(その8)

 『Betwixt!』(7月29日19:45@Trafalgar Studios 2)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<主人公は、現実世界(現在のニューヨーク)と異次元に存在する魔法に支配される王国との間を行き来することになった若者。その主人公がニューヨークから王国に紛れ込んで美女と出会うあたり、ディズニー映画『Enchanted』(邦題:魔法にかけられて)の逆パターンと言えなくもない。この作品も元々は『Enchanted』というタイトルだったらしい。
 が、役者が観客の体に触れてしまいそうな狭い空間で展開される物語は、ディズニー的世界とは似て非なるもので、けっこうエグかったりもする。

 というわけで、劇場のサイズも含め、感覚としてはオフオフ。それらしいバカバカしくも笑える趣向もあり、楽曲にもシャレがあって(魔法で頭だけ生かされている女性が「I got nobody(no body) but you」と歌ったり)、見どころがないではないが、役者が全体に未熟で、どうも入りきれなかった。
 なんでも、2008年にコンサート形式で上演された際には評判をとったらしいが、その時はオールスターだった、とプログラムには書いてある。しっかりした役者で観直してみたい気もする。>

 作曲・作詞・脚本・演出イアン・マクファーレイン。振付グレイス・ハリングトン。

 王国の王女/妖精の女王/魔女の3役を演じたエレン・グリーンだけはキャリアが豊富で、1976年のブロードウェイ・リヴァイヴァル『Threepenny Opera』のジェニー役でトニー賞候補になっている。同年公開の映画『Next Stop, Greenwich Village』(グリニッチ・ビレッジの青春)にも出演。

 ちなみに、「betwixt」は「between」の古い表現で、意味は「狭間」。「betwixt and between」で「どっちつかず」ってことになるらしい。

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