The Chronicle of Broadway and me #216(season summary)

★1999年5月@ニューヨーク(その12)

 例によって、トニー賞を目安にシーズンを振り返る。1998/1999年シーズンのミュージカル関係のトニー賞受賞者は次の通り。

●作品賞 『Fosse』
●リヴァイヴァル作品賞 『Annie Get Your Gun』
●主演男優賞 マーティン・ショート『Little Me』
●主演女優賞 バーナデット・ピータース『Annie Get Your Gun』
●助演男優賞 ロジャー・バート『You’re A Good Man, Charlie Brown』
●助演女優賞 クリスティン・チェナウェス『You’re A Good Man, Charlie Brown』
演出賞 マシュー・ボーン『Swan Lake』
●脚本賞 アルフレッド・ウーリー『Parade』
●楽曲賞 ジェイソン・ロバート・ブラウン『Parade』
●編曲賞 ラルフ・バーンズ&ダグラス・ベスターマン『Fosse』
振付賞 マシュー・ボーン『Swan Lake』
衣装デザイン賞 レズ・ブラザーストン『Swan Lake』
照明デザイン賞 アンドリュー・ブリッジ『Fosse』

 この年、装置・照明・衣装のデザイン賞はいずれもミュージカルとプレイの分類がなく、装置デザイン賞はリチャード・フーヴァー『Not About Nightingales』が獲っている。
 また、特別賞を『Fool Moon』が受賞している。

 このシーズンにブロードウェイに登場したミュージカルは(『Swan Lake』も含めて)次の13本(★はリヴァイヴァル)。

『Swan Lake』
『Footloose』
『Little Me』
『On the Town』
『Peter Pan』
『Parade』
『Fosse』
『You’re A Good Man, Charlie Brown』
『Annie Get Your Gun』
『Marlene』
The Civil War』
『The Gershwins’ Fascinating Rhythm』
『It Ain’t Nothin’ But the Blues』

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 今回は、続けてアップする[Tony1999] 予想/結果と感想とカブる部分が多いので、以降の感想は控えめに。

 このシーズンは、全体に停滞していたというか、いくぶん暗い印象があった記憶がある。作品賞の『Fosse』が追悼的な作品だったからかもしれない。注意深く見れば、純粋にオリジナルな新作は『Parade』だけ、というのもその一因だろう。その『Parade』は素晴らしかったが。
 作品よりも、むしろ役者が光ったシーズンだった。バーナデット・ピータース、マーティン・ショート、その共演のフェイス・プリンス、そしてロジャー・バートとクリスティン・チェノウェス。バートとチェノウェスは間違いなくスター誕生の瞬間だった。
 いずれにしてもトニー賞は『Swan Lake』が獲りすぎ。そもそも作品賞の候補になってないんだから。振付賞ぐらいをあげておけばよかったんじゃないでしょうか。

 観られなかった『Marlene』は3月末にプレヴューを開始して5月初めに幕を下ろしている。ロンドンからやって来たマレーネ・ディートリッヒの回顧録的作品。日本でも何度か翻訳上演されているが未見。トニー賞では、シアン・フィリップスが主演女優賞の、パム・ジェムズが脚本賞の候補になった。
 トニー賞候補ということで言うと、[Tony1999] 予想/結果と感想を見ていただけるとわかるが、珍しく全ミュージカルまんべんなく何らかの部門でノミネーションの対象になっていた。

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