The Chronicle of Broadway and me #258(The Gorey Details)

2000年11月@ニューヨーク(その10)

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 『The Gorey Details』11月8日20:00@Century Theatre)は、絵本作家として知られるエドワード・ゴーリーの作中人物が登場するミュージカル(A Musicaleと表記されている)。

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 ゴーリーの絵本は日本でも翻訳出版されているので、ごぞんじの方も多いかと思うが、そのイラストレーションは、モノクロ・インク+細いペンで描かれた細密な線画で、不思議なグロテスクさを秘めている。登場するキャラクターも特異なデフォルメによって不穏な雰囲気を孕む(上掲プレイビルの表紙参照)。そんな二次元世界が舞台上に現出するわけで、今で言えば2.5次元てやつだ。
 これまた当時の感想が残っていないのだが、ヴィジュアル的な再現度の高さが面白かった記憶がある。残念ながら音楽的なことは覚えていないが、伴奏はパーカッションとチェロという簡素な編成。内容はゴーリー世界で知られるキャラクターたちのエピソード集だったと思う。

 詞・脚本はゴーリー自身。実は、この年の4月15日に彼自身は亡くなっている。それを意図してのことか偶然なのかはわからないが、追悼公演だったわけだ。
 作曲のピーター・マッツは舞台、TV、映画の世界で主に編曲者・音楽監督として活躍した人で、観たことのあるミュージカルでは『Grand Hotel: The Musical』の編曲を担当していた。彼も2年後に亡くなっている。
 演出・振付ダニエル・レヴァンズ。

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