The Chronicle of Broadway and me #379(Cookin’/Toxic Audio)

2004年7月@ニューヨーク(その6)

 同じ日に続けて観たオフのパフォーマンス2つ。
 

 『Cookin’』(7月17日18:00@Minetta Lane Theatre)についての観劇当時の感想(<>内)。

<来日公演も何度か行なっている韓国の『Nanta(난타のアメリカ上陸版(日本に来た版を観たことがないのだが、おそらく細部が違うと思う)。
 様々な部分でブルー・マン・グループの『Tubes』やイギリス発祥の『Stomp』に触発されたとおぼしいアイディアは剽窃寸前だが、吉本新喜劇を思わせる脱力系ギャグが独自の空気を作る。パフォーマンスの精度にやや不満が残った。>

 出演者は5人。とあるレストランのキッチンで時間に追われて起こる大混乱、というのが大筋で、それを表現するにあたり、セリフではなく、数々の調理器具を打楽器として使っての演奏とアクションで展開していく、というのがミソ。その演奏の根っこに、韓国の伝統音楽を独自に発展させたサムヌノリの要素があるようだ。

 ソウルでの初演は1997年。本国での公演は今も続いているようだ(コロナ禍の状況は不明)。
 ニューヨークでは、子供向け専用のニュー・ヴィクトリー劇場で2003年9月25日から10月19日までの期間限定公演を行なった後、このミネッタ・レイン劇場に移動。2004年2月20日プレヴュー開始、3月7日正式オープンで、同年8月7日まで続く。
 ニューヨーク版の演出も、創案者であるソン・スンファン自身が行なっている。
 

 『Toxic Audio』(7月17日20:00@John Houseman Theatre)の観劇当時の感想は次の通り(<>内)。

<日本のラグフェアのようにバックの楽器演奏も人声で生み出す、5人組のア・カペラ・グループのライヴ。なので、音楽の趣味が合わないと楽しめないかも。
 が、音楽的アイディアに加え、観客を舞台に上げてのユーモラスな趣向やアクロバティックなモノマネ・ダンスなどによる緩急のつけ方がうまく、飽きさせない作りにはなっている。>

 ラグフェアは、2004年当時、TVのレギュラー番組を持ったりして注目されていた、いわゆるヒューマン・ビート・ボックス込みのア・カペラ・グループ。若干の休止期間もあったようだが、今も活動中。
 同様のア・カペラ・グループの名前がトキシック・オーディオ。ラグフェアよりヒューマン・ビート・ボックス色が強い。女性2人+男性3人の5人組で、オーランドを拠点に1990年代後半から活動しているようだ。こちらも現役。

 このオフ・ブロードウェイ公演は、この年の4月7日プレヴュー開始、4月18日正式オープン、10月31日にクローズしている。

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