The Chronicle of Broadway and me #1013(Emojiland)

2020年1月~2月@ニューヨーク(その5)

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 『Emojiland』(1月31日20:00@Duke On 42nd Street)についての観劇当時の感想(<>内)。

<“文字”通り「絵文字」たちが住む王国を舞台にしたミュージカルが『Emojiland』
 空気感が『Be More Chill』に似ている。ちょっとダウナーな気分とか。同じようにヴァーチャルでクローズドな世界を描いているからだろう。ネタ的に日本が絡むし。
 『Be More Chill』と違うのは、現実をわかりやすく反映していることと、最終的に希望を抱かせること。
 その、ある意味スッキリした話であるところが物足りない感じもするのだが、楽曲がよく、役者が強力なので、観飽きることはない。てか、ミュージカルとしては充分に面白く、個人的には『Be More Chill』より好みで、オン進出もありなのかと思ったりもするのだが、かの作品ほどの「妙な熱気」が客席に感じられないのも事実(あ、もちろんウケているが)。そうしたファン層には、二番煎じ的な受け取られ方をしているのかもしれない。ま、面白かったから、その辺はどうでもいいのだが(笑)。

 絵文字王国の退屈なほど平穏に見える日常は、官僚(ビジネスマン)の入れ知恵で、王女と王子が自分たちの現状を維持するために、王国の周りにファイアウォールを張り巡らして外部からのアップデートを遮断することを計画したために軋みを上げ始める。というのが話の概略。
 支配者が国境にファイア“ウォール”を建設する。おわかりですね。

 出演者で最も知られているのは、『Avenue Q』のクリスマス・イヴ役アン・ハラダだろう。ここでも、うんちマーク(Pile of Poo)役を快演。第2幕を盛り上げる。
 それを凌ぐ活躍を見せるのが、プリンセス役のレズリ・マルゲリータ。ブロードウェイでは『Matilda The Musical』でのアクの強いマチルダの母役で印象に残る人だが、あれに愛嬌を大量に加えたキャラクターで舞台全体を引っ張る。
その他、前述したように役者陣が強力。楽しい。

 作曲・作詞・脚本はローラ・シャイン&キース・ハリソン、演出トーマス・カルーソ、振付ケニー・イングラム。デイヴィッド・ゴールド・スタインのセットもアイディア満載。
 ちなみに、作者の片割れローラ・シャインは、キーになるヒロイン的な役で出演もしている。

 好評らしく期間が延びているが、今のところ、3月19日までの限定公演。>

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