The Chronicle of Broadway and me #281(Dragapella!)

2001年11月@ニューヨーク(その4)

 Dragapella!』(11月9日20:00@Upstairs At Studio 54)は、タイトルからわかるように、ドラァグ・クイーンによるア・カペラのショウ。最近は使われていない気がするが、スタジオ54の上にある(あった?)小劇場での上演だった(なぜか劇場の写真を撮っていない)。

 作って演じているのは、キンズィー・シックス(The Kinsey Sicks)という名の4人組。
 なんでも、1993年にサンフランシスコでのベット・ミドラーのライヴを観に行くにあたり、みんなしてアンドリューズ・シスターズの格好で集まったのがきっかけとか。翌年、路上で始めたパフォーマンスが評判を呼び、やがて劇場で演じるようになり、満を持してオフ・ブロードウェイに進出。と、そういう経緯だったようだ。

 オリジナル曲もあるが、歌われるのは、基本、既成楽曲の替え歌(結成のきっかけとなったベット・ミドラー所縁の「The Rose」も含む)。ドラァグ・クイーン4人のキャラクターを生かした小芝居を挟みながら、その替え歌の歌詞の内容で勝負するスタイル。
 ア・カペラ・コーラスの質自体は“並”だった気がする。と言っても“彼の国”の“並”ですので、あしからず。

 メンバーは、ベン・シャッツ(プロデュース/オリジナル楽曲/脚本)、クリス・ディリー(プロデュース/編曲/脚本)、モーリス・ケリー(プロデュース/追加作詞/脚本)、アーウィン・ケラー(プロデュース/編曲/追加作曲/追加作詞/脚本)。シャッツの本業は公民権弁護士で、エイズの最初の国家的プロジェクトに寄与した人らしい。
 演出グレン・カサーリー(『Peter Pan』)。

 ちなみに、キンズィー・シックスは、アルバムや映像ソフトをリリースしながら、メンバーを入れ替えて今も活動中のようだ。

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