The Chronicle of Broadway and me #330★(2003/May)

★2003年5月@ニューヨーク(その1)

 47度目のブロードウェイ(47歳)。

 渡米時の概観を旧サイトから転載。

<トニー賞ノミネーション発表直前(発表は現地時間 5月12日の朝だった)のニューヨーク。
 渡米の主な目的は、その対象となる2002/2003年シーズンに幕を開けたブロードウェイ・ミュージカルの未見の舞台を観ること。
 内訳は、チケットを買ってあった人気のリヴァイヴァルが、『Gypsy』『Nine』の2本、半額チケットが出ているオリジナル新作が、『The Look Of Love』『A Year With Frog And Toad』『Urban Cowboy』の3本。
 残りは、『Chicago』を生んだシティ・センター“アンコールズ”シリーズの 1作『No Strings』と、オフの新作『Zanna, Don’t!』

 出来はともかく(笑)、終わるんじゃないかと心配だった『Urban Cowboy』を観られたのが、今回最大の収穫。理由はこちら(※注)に詳述。とにかく、脚本がひどいが、楽曲作者でもあるジェイソン・ロバート・ブラウン本人がバンドの演奏者しても登場。歌まで聴かせてくれて、超個人的に満足。
 もう 1つ抱えていた心配事が、体調不良が伝えられていたバーナデット・ピータース。『Gypsy』を彼女で観られるかどうかだったが、こちらは残念ながらピンポイント休演(前夜とその日の夜公演は出演)。それとは関係なく、サム・メンデス演出に疑問あり。
 『The Look Of Love』は、バート・バカラック&ハル・デイヴィッドの楽曲を使ったレヴューで、手堅い作りだが、アン・ラインキングの振付を含め、新鮮味は全くない。
 登場人物が動物ばかりの『A Year With Frog And Toad』は、子供向けミュージカルを上演するニュー・ヴィクトリー劇場からの引越し公演。ヴォードヴィル風味を感じさせるオーソドックスな作品で、演技のレヴェルも高く、装置や衣装も楽しい。
 アントニオ・バンデラス、チタ・リヴェラ、メアリー・スチュアート・マスターソンなど、映画でも知られるスターが顔をそろえて人気の『Nine』。基本的に1996年に観たウェスト・エンド版と同じプロダクションだったが、劇場が大きくなり、出演者が派手になった分、ドラマが拡散して見えた。
 『Zanna, Don’t!』は、アイディアがつまっていて、とにかく面白い。楽曲には『Hairspray』系統の楽しさがある。オススメ。
 『No Strings』はリチャード・ロジャーズが楽曲を単独で書いたことで有名。1度観てみたかった作品だが、現代によみがえらせるのは困難だったかも。>

 (※注)2003年2月28日プレヴュー開始、3月27日正式オープンの『Urban Cowboy』は、不入りのため3月29日の公演で閉幕、と一旦は発表しながら、翌々日の31日には公演を再開する騒ぎがあった。結局、5月18日まで続演。ちなみに、現地で半額チケットを買うにあたり、上演日のスケジュール情報が錯綜していて個人的に慌てる、という事件もあった。旧サイトには細かく書いたが、再掲するほどの内容ではないので省略(笑)。

5月8日20:00 The Look Of Love@Brooks Atkinson Theatre 256 West 47th Street
5月9日20:00 No Strings@City Center 131 W. 55th St,
5月10日12:00 A Year With Frog And Toad@Cort Theatre 138 West 48th Street
5月10日14:00 Gypsy@Shubert Theatre 225 West 44th Street
5月10日20:00 Nine@Eugene O’Neill Theatre 230 West 49th Street
5月11日15:00 Urban Cowboy: The Musical@Broadhurst Theatre 235 West 44th Street
5月11日19:00 Zanna, Don’t!@John Houseman Theatre 450 West 42nd Street

 作品個別の感想は別項で。

 上掲写真は、ソールドアウトで観られなかったオフ時代の『Avenue Q』@ヴィニヤード劇場。チケットを買いに行って諦めた時に撮影。