The Chronicle of Broadway and me #413(Chicago[L1]/Immodesty Blaize And Walter’s Burlesque)

2005年6月@ロンドン(その8)

 『Chicago』(6月17日17:00@Adelphi Theatre The Strand)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

『Chicago』を観たのはブルック・シールズが目当て。と言うのも、ドナ・マーフィの後を受けて出たブロードウェイの『Wonderful Town』での印象が悪くなかったという話を聞いていたから。
 で、そのシールズ。メラニー・グリフィスほどはひどくない。そこそこ歌って踊れてはいる。ハラハラはするが(笑)。
 しかし、それよりなにより、やっぱりブロードウェイの『Chicago』には特別な“熱”や“誇り”があるな、と改めて思った。ま、そうした温度差の背景には観客の質の違いもあるのだが。>

 ブルック・シールズの『Wonderful Town』の評判を誰から聞いたのか、すっかり忘れている。
 シールズはロキシー役。ヴェルマ役はチャーリー・イザベラ・キング、ビリー・フリン役クラーク・ピーターズ、エイモス役ロバート・ハンズ。
 ロンドンの『Chicago』は、この後、劇場を移って他作品の隙間を縫うような金曜の夕方公演をやるようになる。

 『Immodesty Blaize And Walter’s Burlesque』(6月17日21:30@Arts Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<2000年にロンドンを訪れた際にRidgeway’s Late Joysという、かつてのミュージック・ホールの芸を伝える演目を観たが、それと同様の動機(地元に根付いた伝統芸を観たい)で観たのがこれ。
 バーレスクと来ればジプシー・ローズ・リーなわけで、ストリップティーズをメインに据えた下世話な芸人たちの世界。これが、観客たちの陽性の盛り上がりによって、すこぶる楽しくなる。
 個人的には日劇ミュージック・ホールを体験していないので、いい勉強になりました。>

 作品タイトルを翻訳すれば「慎みなきブレイズとウォルターのバーレスク」となるが、実は、インモデスティ・ブレイズがスター女優の芸名。彼女とウォルターとの二枚看板のショウというわけだ。
 ウィキペディアによれば、インモデスティ・ブレイズは1990年代からロンドンのアンダーグラウンド・シーンでバーレスク・ショウを行なっていたらしい。やがてファッション・ショウへの出演やミュージシャンとのパフォーマンスで注目を集めるようになり、このウェスト・エンドの公演で表舞台での認知を確かなものにした、と。2007年、ラスヴェガスのバーレスク・ホール・オヴ・フェイムで「Reigning Queen Of Burlesque」の称号を獲得。2010年には自らプロデュースしたドキュメンタリー映画『Burlesque Undressed』を公開している(YouTubeに上がっている予告編はこちら)。
 一方のウォルターは、『Cabaret』におけるエムシーのイメージ。それもジョエル・グレイのような。バイ・セクシャルな気配がある。
 他にもメンバーが数人いるが、書いておきたいのはアツコ・クドウ(工藤亜津子)。今ではラテックスのファッション・デザイナーとして知られているようだが、この舞台に(たぶん)自分のデザインした服を来て出演していた。
 演出ジェイン・ギブソン。ロイヤル・オペラやナショナル・シアターでムーヴメント・ディレクター(演出×振付的な役割)として活躍していたらしい。

 ちなみに、このアーツ劇場は、現行のミュージカル『Six: The Musical』のホームグラウンド。

The Chronicle of Broadway and me #413(Chicago[L1]/Immodesty Blaize And Walter’s Burlesque)” への2件のフィードバック

コメントを残す