The Chronicle of Broadway and me #421(Once Around The Sun)

2005年9月@ニューヨーク(その8)

『Once Around The Sun』(9月25日19:00@Zipper Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<けっこうリアルな“ロック・ミュージシャンもの”。
 ニューヨークの売れないバンドの中心人物だった若者が、スカウトされて西海岸に行き成功する。その裏側には、仲間に対する(結果的な)裏切り、才能はあったが成功はしなかった叔父との確執などがあった。
 ――と、要素を並べてみると、『Rent』的意匠の向こうに、きわめてオーソドックスなドラマがあることが見てとれる。
 いい楽曲がないではないが、あまりに“青春”な表現が、個人的にはもの足りない。>

 楽曲作者のロバート&スティーヴン・モリスは、1990年代にモリス・ブラザーズ・バンドとして活動していて(アルバム2枚リリース)、2年後にはモリス・ブラザーズ名義でのアルバムも出すことになる双子の兄弟。一方で、この頃ブロードウェイのオケピにも入って仕事をしていたらしい。このあたりのジャンルの錯綜具合が面白い。そこに、もう1人ジョー・シェイン(詳細不明)が加わって、楽曲作者は3人体制。
 脚本のケリー・オヴァーベイはブロードウェイにも出演している役者でもある。
 演出ジェイス・アレグザンダーは、トニー賞女優ジェイン・アレグザンダーの息子で、本人もTVドラマがメインの役者でもある。現在はいささか不名誉な立場にあるようだが。

 役者としては、主人公をバンドから抜けさせようと誘惑する歌手役で『Jesus Christ Superstar』のマグダラのマリアを演じたマヤ・デイズの名前があるのだが、観た回は代役。
 主人公はエイサ・ソマーズ(『Dance of the Vampires』)。

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