The Chronicle of Broadway and me #420(Slut)

2005年9月@ニューヨーク(その7)

 『Slut』(9月25日15:00@American Theatre Of Actors)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<身持ちの悪いことを意味する『Slut』は、ニューヨークに生きる若い男女の不安定な恋愛模様を、少しばかり荒唐無稽に描いた作品。
 現代の寓話として面白みはあるが、驚きはない。エイズの悩みがないかのような描き方はどうなのだろう。>

 できるだけ多くの国の多くの女性とベッドインしたいという金持ちの若者の話。……という、ドン・ファンだか世之介だかの現代アメリカ版のような内容については、あまり覚えていない。
 それより、その主人公を演じるのがアンディ・カール(『Altar Boyz』)で、共演にジェン・コレッラ(『Urban Cowboy: The Musical』)がいることの方が今となっては重要か。他に、デイヴィッド・ジョセフバーグ(『Altar Boyz』)、ジム・スタネック(『A Funny Thing Happened on the Way to the Forum』)、ハリエット・D・フォイ(『Lone Star Love』)、この後ステファニー・ダブルーツォに替わって『Avenue Q』に参加するメアリー・フェイバー、やはりこの後アンディ・カールと一緒に『Legally Blonde: The Musical』に出ることになるケヴィン・パリソー、と上り調子の若手が揃っていたわけだ。

 作曲と補作詞はスティーヴン・シスレン。
 作詞・脚本のベン・H・ウィンターズは、2009年出版の『Sense And Sensibility And Sea Monsters』という、ジェイン・オースティンの『Sense And Sensibility』(翻訳邦題:分別と多感)のパロディ小説が売れて知られることになったようだから、こうしたファルス的な作風が持ち味だったのかも。
 演出ゴードン・グリーンバーグ(『The Baker’s Wife』)。