The Chronicle of Broadway and me #704(Chaplin)

2012年9月@ニューヨーク(その2)

 『Chaplin』(9月13日19:00@Ethel Barrymore Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<8月21日にプレヴュー開始、9月10日に正式オープンしたものの、残念ながら12月に入ってすぐに翌年1月6日のクローズが発表された。よく粘ったとも言えるが、まあ、当たらなかったのは事実だ。
 カッチリ作ってあったが、最終的には物足りなさが残った。その原因は、スケール感の小ささにある。

 元々は、NYMF(ニューヨーク・ミュージカル・シアター・フェスティヴァル)の参加作品だったようで、その時は観ていないが、フェスティヴァルの性格から言って、本格的に作ったとしてもオフ規模の作品だったはず。
 おそらく、その後、スケールを大きくする方向で改変が加えられたのだろう(カリフォルニアのラ・ホーヤ・プレイハウスでの上演は、その過程か)。それが例えば、大人数による派手なダンス・シーンだったりするのではないかと思うが、そうした見せ場が必ずしもドラマと有機的に結びついておらず、極端に言えば、とってつけた印象。
 チャーリー・チャップリンの伝記的内容であるこの舞台の主軸は、あくまで主演のロブ・マクルーアの“チャップリンを髣髴させる”演技にある。アクロバティックな帽子使いやパントマイム等、よく研究した動きを見せ、かなり魅力的。ではあるが、ブロードウェイの大舞台にあっては、やはり物足りないということになる。映画の印象的な場面の再現等にもオッと思う工夫を凝らしてあり、それなりに丁寧な作りだっただけに、惜しかった。

 まあ、そもそも、今チャップリンがどの程度の関心を集めるのか、という疑問も、観劇前からあるにはあった。そういう意味では、制作サイドと観客との間に、かなり温度差があったのかもしれない。>

 昨シーズン『Mrs. Doubtfire』に出ていたロブ・マクルーアの出世作。

 作曲・作詞クリストファー・カーティス。脚本クリストファー・カーティス&トーマス・ミーハン。
 演出・振付ウォーレン・カーライル(『A Tale Of Two Cities』『Finian’s Rainbow』『Follies』『Hugh Jackman, Back On Broadway』)。

 クリスティアン・ノール(『Jekyll & Hyde』『Ragtime』)、ジェン・コレッラ(『Urban Cowboy: The Musical』『Slut』『High Fidelity』『Come From Away』)、マイケル・マッコーミック(『Kiss Of The Spider Woman』1776』『Marie Christine』『Gypsy』『The Pajama Game』『Dr. Seuss’ How the Grinch Stole Christmas!』『Curtains』)が出ていたことを追記しておく。

 

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