The Chronicle of Broadway and me #662(Follies)

2011年10月@ニューヨーク(その3)

 『Follies』(10月14日20:00@Marquis Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<1971年初演のスティーヴン・ソンドハイム(作曲・作詞)作品。その1971年のブロードウェイの架空の劇場が舞台で、当時の状況を反映してだろう、取り壊されることになったその劇場に、往年のヒット・レヴューのプロデューサー(ジーグフェルドあたりを思わせる)の呼びかけで歴代の出演者たちが集まって名残を惜しむパーティを開く、という設定。
 今回が2度目のブロードウェイ・リヴァイヴァルで、ラウンダバウト製作の期間限定公演だった最初のリヴァイヴァルが2001年。もう10年前か。
 その時、この作品を初めて観たが、観劇記も残していないしプレイビルもすぐに出てこないので曖昧な記憶で書くと、伝説のマージ・チャンピオン(ご存命か!)目当てで行ったのに代役だった気がする。それでがっかりして地味な印象が残った(責任転嫁ですな)、と今では思っているのだが、本当はどうだったか……。改めて調べたら、ブライス・ダナーが出てたんだな(トニー賞主演女優賞候補)。あと、若き日のケリ・オハラも。とはいえ、やはり地味めか。

 今回(9月12日正式オープン)の看板役者は、バーナデット・ピータース。そして、ジャン・マックスウェル。まあ、華やかと言っていいだろう。
 核になるドラマは、その2人と、夫たち(ダニー・バースタイン、ロン・レインズ)を中心に進む。
 当然、ピータースとマックスウェルの演技合戦の様相を呈するのだが、上記の設定からわかる通り、他にも女優たちが大勢いるわけで(例えば、イレイン・ペイジ、ジェイン・ハウディシェル、テリ・ホワイトといった人たち)、ドラマとはあまり関係なく、それぞれに見せ場が用意されていて、そちらはそちらで単独のショウ場面として面白いというのも、この作品の魅力。さらに言うと、集った出演者たちの若き日の姿が亡霊のように劇場のここかしこにいて、彼らが踊ったりする楽しさもある。
 逆に言うと、4人による本筋のドラマと周りの人たちとの有機的結びつきが薄い、というのが、この作品の弱点か。まあ、リヴァイヴァルだし、気にしないで楽しみましたが。>

 脚本ジェイムズ・ゴールドマン。
 演出エリック・シェイファー(『Putting It Together』『The Witches Of Eastwick』『Glory Days』『Million Dollar Quartet』)。振付ウォーレン・カーライル(『A Tale Of Two Cities』『Finian’s Rainbow』いずれも演出・振付)。

 マージ・チャンピオンは2020年10月21日に亡くなっていた。享年、なんと101歳。

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