The Chronicle of Broadway and me #913(Hundred Days/Annie[N.J.])

2017年11月~12月@ニューヨーク(その4)

 『Hundred Days』(11月28日19:00@New York Theatre Workshop)は、ザ・ベングソンズという夫婦デュオを中心にしたバンドによる、歌で物語を綴るコンサート的なパフォーマンス。
 物語と言っても心情吐露に近く、”自分(たち)語り”といった趣で、実人生を反映した内容のようだ。
 サウンド的には、ケルティックな香りのするパンキッシュなフォーク/ロック。放つ熱量が大きくて、けっこう心に迫ってくる。

 楽曲作者はベングソンズ(アビゲイル&ショーン・ベングソン)。脚本は彼ら2人とサラ・ガンチャーが共同で書いている。
 演出は、故マイケル・フリードマン(『Bloody Bloody Andrew Jackson』)を擁した演劇集団シヴィリアンズの創設メンバーでもあるアン・カウフマン(『The Bedwetter』)。ベングソンズとカウフマンの組み合わせは、この年の春に観た『Sundown, Yellow Moon』と同じ。
 ヴォーカリストとして、やはりこの年春に観た『Joan Of Arc: Into The Fire』の印象が鮮烈だったジョー・ランパートが出ていて驚いた。

 この作品、後に日本で翻訳上演されたが(未見)、この規模の作品なら手法を参考にしてオリジナルを作ればいいのに、と思った覚えがある。
 

 『Annie』(11月30日13:30@Paper Mill Playhouse)を上演するのは、ペイパー・ミル・プレイハウスとしてはホリデイ・シーズンのファン・サーヴィス的な意味合いもあるのだろうか。オールド・ファン+ファミリー向け作品として。たぶん。

 とりあえず、主な出演者を挙げておく。
 ミス・ハニガン役ベス・リーヴェル(『Crazy For You』『The Civil War』『The Drowsy Chaperone』『Elf』『Baby It’s You』『The Bandstand』『Bandstand』)、ウォーバックス役クリストファー・シーバー(『Triumph Of Love』『Into The Woods』『Cinderella』『Monty Python’s Spamalot』『Shrek The Musical』)、グレイス・ファレル役エリン・マッケイ(『Sondheim On Sondheim』『Chaplin』『Aamzing Grace』『In Transit』)、ルースター役クーパー・グローディン、リリー役キム・サヴァ。
 アニー役は2人いて、ペイトン・エラ、キャシディ・プライ。で、プログラムに当日出演者を書いた紙が挟まっていないので、どちらを観たのか不明(苦笑)。

 演出マーク・S・ホービー。振付ジョアン・M・ハンター。

 これ以前に観た『Annie』の感想は、こちらこちらで。続編『Annie Warbucks』も観ている。