The Chronicle of Broadway and me #914(Abby Payne & Chris Anselmo/Sarah Naughton: Trapped In The Closet)

2017年11月~12月@ニューヨーク(その5)

 コンサート形式のショウ2本をまとめて。
 

 『Abby Payne & Chris Anselmo』(11月27日21:30@Joe’s Pub/Public Theater)は、若きミュージカルの楽曲作者2人のジョイント・コンサート。

 アビー・ペインはシンガー・ソングライターだった人で、彼女の書いた(作曲・作詞・脚本)ミュージカル『The Gunfighter Meets His Match』は翌2018年のNYMFに登場することになる(これは観ている)。
 一方のクリス・アンセルモは、2014年のNYMFに参加したミュージカル『Fable』で、脚本を書いた幼馴染みのH・S・カウフマンと共に、同フェスティヴァルにおける作家最年少記録を更新した人らしい(こちらは未見)。
 ここでは、2人が一緒に出てきて、それぞれの書いた歌を共に演奏していた。
 

 『Sarah Naughton: Trapped In The Closet』(12月2日21:30@54 Below)の主人公(というか主演者)サラ・ノートンは、そもそもはオーディオ・ブックのナレーションで知られる人らしい。
 彼女がレストラン・シアターで繰り広げるのは、そのオーディオ・ブック世界に登場するような様々な設定のドラマを、ナレーション+歌でミュージカル仕立てにしてみせるショウ。

 観どころ/聴きどころは、複数役を演じ分けるノートンの声色とミュージカル楽曲の替え歌。そして、コメディになっている話の中身。その実体は、言ってみれば、ミュージカル風味のスタンダップ・コミック、といったところ。
 音楽監督のジェイク・ワインスタインが伴奏ピアノを弾いていて、振付のエリザベス・マクガイアが2人のダンサーと共にノートンのバックでダンスを披露する。
 ブロードウェイの舞台に出るのが私の夢、といって笑いをとるノートンのMCは、まんざら冗談ばかりではないだろう。

 ジョーズ・パブにしろ54ビロウにしろ、演者にとっても観客にとっても得がたい空間であり、そこを連日埋めるだけの人材が集まっていることがニューヨーク演劇界のエネルギー源であるのは間違いないだろう。うらやましい。

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