The Chronicle of Broadway and me #604(Bloody Bloody Andrew Jackson)

2010年4月@ニューヨーク(その5)

 『Bloody Bloody Andrew Jackson』(4月10日17:00@Newman Theater/Public Theater)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<刺激的だったのが、パブリック・シアターの『Bloody Bloody Andrew Jackson』
 第7代合衆国大統領アンドリュー・ジャクソンの半生を、パンク・ヴォードヴィルとでも呼びたくなる自在な手法で描いた作品で、インディアン(ネイティヴ・アメリカン)を徹底弾圧したジャクソンが無教養でパンキッシュな若者として登場し、無軌道な行動を繰り返しながら、なぜか大統領にまで上りつめていく。
 ジャクソンを批判するというより、ジャクソンのような人物を生み出し、それを大統領にしたアメリカのストレンジなところを描こうとしているように見える。
 ユーモラスな表現が多く、それが逆に、批評性に深みを与えている。楽曲もいい。>

 作曲・作詞マイケル・フリードマン(『Gone Missing』『Saved』『This Beautiful City』)。劇団シヴィリアンズの楽曲作者として活躍してきたマイケル・フリードマンの、唯一のブロードウェイ・ミュージカルとして、本作は、この年の秋オンでオープンすることになる。別稿にも書いたが、フリードマンは2017年に41歳で亡くなる。
 脚本・演出のアレックス・ティンバーズ、振付のダニー・メフォードは、この作品以降、それぞれ、演出家、振付家として大きく飛躍。
 劇場全体をタイムスリップさせる素晴らしい装置デザインを施したダニイェール・ウァーリーも、この後大活躍する。

 アンドリュー・ジャクソン役ベンジャミン・ウォーカーは、どちらかと言えばストレート・プレイでの活躍が多いようだが、6年後に『American Psycho』でミュージカルに再登場する。

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