The Chronicle of Broadway and me #545(This Beautiful City/Dear Edwina)

2009年2月@ニューヨーク(その5)

 『This Beautiful City』(2月21日20:00@Vineyard Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<2007年7月に観た『Gone Missing』を作った劇団シヴィリアンズの新作。
 前作はニューヨーカー相手に行なったインタヴューを基にしていたが、今回はコロラド州コロラド・スプリングに出向いて、同地で勢力を拡大している宗教団体について取材し、作り上げたらしい。
 その団体を一方的に揶揄しているのかというと、そうでもないようで、その辺は(前作同様)英語力不足及び知識不足の問題で十全に理解できていないのだが、それでもなんだか面白い(笑)。
 楽曲の魅力とカンパニーのエネルギーなのだろう。>

 当該宗教団体は、キリスト教福音派。聖書信仰を軸とする神学的・社会的に保守派のムーブメント、とのこと。同派の中にも様々な考え方があり、思想の変化があり、現実への対応の仕方にも差異がある。それを社会の縮図とみなしての取材だったようだ。

 『Gone Missing』同様、作曲・作詞が後に『Bloody Bloody Andrew Jackson』を手がけるマイケル・フリードマン(『Saved』)、脚本・演出がスティーヴ・コッソン。
 この『This Beautiful City』も含め、故マイケル・フリードマン楽曲作品のキャスト盤の多くは配信で聴くことができる。「Michael Friedman」で検索。
 共同脚本ジム・ルウィス(『Chronicle Of A Death Foretold』)。振付ジョン・キャラファ(『Love! Valour! Compassion!』『Urinetown』『Into the Woods』『Dance Of The Vampires』『Good Vibrations』『The Slug Bearers Of Kayrol Island(or, The Friends Of Dr. Rushower)』)。
 

 『Dear Edwina』(2月22日11:00@DR2 Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<朝11時開演ってことからもわかるように、子供向け。で、過去の子供向け作品の例に漏れず、これまた、よくできている。子供向けの方がまっすぐ観客に入っていかないと飽きられる分、余計な見栄をはらずに面白く作るのだろう。
 エドウィナという少女が、大きな大会に出るための演劇オーディションで自作ミュージカルを仲間と演じる、という劇中劇の設定が、まずうまい。
 登場人物はコミック的キャラクターでわかりやすく、それぞれに見せ場もあり、もちろん最後には、ちょっとした教訓的な(しかし嫌味ではない)オチもある。
 日本でも普通に、こうしたミュージカルを作れないものですかね。>

 作曲ジーナ・ゴールドリッチ、作詞・脚本マーシー・ハイスラーのコンビは『Junie B. Jones』と同じ(彼女たちは後に、映画『Ever After』の舞台ミュージカル化『Ever After』を手がける)。
 曲調は、英米では“ミュージカル・シアター”と呼ばれる、いかにもな劇場向けのものに始まって(そんな中にもオペレッタ風なものや怪奇風のものなどの趣向があり)、ケルト風、フランス語混じりのシャンソン風、レゲエ+カリプソまで幅広く、楽しい。ミュージカル・ナンバーのショウケースと言うか、ある種のパロディにもなっているんですね。

 演出ティモシー・A・マクドナルド、振付スティーヴン・G・ケネディ。
 エドウィナ役はジャニス・メイズ(現ジャニス・ランドリー)。

 翌年、翌々年のホリデイ・シーズンにも上演されている。

The Chronicle of Broadway and me #545(This Beautiful City/Dear Edwina)” への4件のフィードバック

コメントを残す