The Chronicle of Broadway and me #514(Saved)

2008年6月@ニューヨーク(その3)

 『Saved』(6月5日20:00@Playwrights Horizons)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

『Grey Gardens』を世に送り出したオフのプレイライツ・ホライズンズの新作。
 敬虔さが求められるクリスチャン系ハイ・スクールで自我に目覚めていく少女の話だが、楽曲、脚本共に優れ、心を動かされた。
 「キリスト教とアメリカ人」というデカいテーマを、哲学的言辞を弄することなく、日常的な(それも恋愛絡みの学園ドラマ的な)ストーリーのコメディとして描き出していくのが鮮やかで、そのため、狭量な教条主義者に対する批判のレヴェルで終わらず、極東から訪れた一観客をも深く共感させる結果となった。
 役者も充実して、見事。>

 元になった映画があり、タイトルは「!」付きの『Saved!』。日本では劇場未公開。キャストにマコーレー・カルキンの名前がある。監督・脚本ブライアン・ダネリー、共同脚本マイケル・アーバン。
 このミュージカル版は、作曲・作詞マイケル・フリードマン(『Gone Missing』『Bloody Bloody Andrew Jackson』)、作詞・脚本ジョン・デンプシー(『The Witches Of Eastwick』『The Pirate Queen』)&リンネ・グロフ。
 演出ゲイリー・グリフィン(『The Color Purple』『The Apple Tree』『Dancing In The Dark』)、振付セルジオ・トゥルヒオ(『The Great American Trailer Park』『Jersey Boys』『Next To Normal』)。

 出演は、セリア・キーナン=ボルジャー(『The 25th Annual Putnam County Spelling Bee』)、ジョン・ドセット(『Hello Again』『Gypsy』)、ジュリア・マーニー(MTC版『The Wild Party』『A Class Act』『Lennon』)、カーティス・ホルブルック(『Taboo』『All Shook Up』『Xanadu』)、アーロン・トヴェイト(『Next To Normal』)他。

 楽曲作者マイケル・フリードマンは2017年に41歳で亡くなっている。惜しい才能を失った。

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