The Chronicle of Broadway and me #570(Memphis)

2009年10月@ニューヨーク(その2)

 『Memphis』(10月6日20:00@Shubert Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<2009/2010年シーズンの新作ブロードウェイ・ミュージカル第1号。楽曲は魅力的だが、残念ながらストーリーに難がある。
 1950年代のメンフィスで、黒人音楽好きの白人(主人公)が、黒人オンリーのクラブに出入りして信用を得、黒人たちの楽曲を積極的に流してDJとして成功し、愛し合った黒人女性歌手と結婚する、と話がトントン拍子に進む感じと、その結果として浮かび上がってくる保守的な白人からの強い反発や黒人の側の猜疑心といった人種問題の、かなりシリアスな感じとが、どうもチグハグ。
 前者の感じで行くのなら、ひねったコメディにした方がいいだろうし、後者のシリアスさを取るのなら、前者の運びは余りにお気楽すぎる。さらに言うと、チャド・キンボールの演じる主人公が、表情にヴァリエイションがないこともあって、どこか病的に見えるのもマイナス。
 長く続かない気がするが、どうか。>

 予想に反して3年近いロングランになる。

 作曲・作詞がボン・ジョヴィのキーボード奏者デイヴィッド・ブライアン、作詞・脚本がそのブライアンと『The Toxic Avenger』で組んだジョー・ディピエトロ(『I Love You, You’re Perfect, Now Change』The Thing About Men『All Shook Up』)。
 演出は『All Shook Up』でディピエトロと一緒だったクリストファー・アシュレイ(『The Rocky Horror Show』『Xanadu』)。振付セルジオ・トゥルヒオ(『The Great American Trailer Park』『Jersey Boys』『Next To Normal』Next To Normal『Saved』『Guys And Dolls』)。

 チャド・キンボールと恋に落ちるフェリシア役モンテゴ・グローヴァー。他に、後に後に『Ain’t Too Proud』に出るデリック・バスキン(『The 25th Annual Putnum County Spelling Bee』)、次作『Aladdin』でジーニーを演じることになるジェイムズ・モンロー・アイグルハート、マイケル・マッグラス(『Little Me』『Exactly Like You』『Wonderful Town』『Monty Python’s Spamalot』)、キャス・モーガン(『The Capeman』『RIng Of Fire』『Mary Poppins』)、J・バーナード・キャロウェイ等が出演。

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