The Chronicle of Broadway and me #806(It Shoulda Been You)

2015年3月@ニューヨーク(その6)

 It Shoulda Been You(3月21日20:00@Brooks Atkinson Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<娘の結婚を巡る、結婚式当日の家族・親戚・友人のドタバタ劇。
 脚本/ブライアン・ハーグローヴ、演出/デイヴィッド・ハイド・ピアースというコンビの作品で、オーソドックスなスタイルながら、オーソドックスならざる様々な人間関係が露わになっていくコメディに仕上がっている。

 作曲のバーバラ・アンセルミはブロードウェイ初登場。音楽監督・編曲の仕事をしてきた人らしい。今作の原案も彼女。作詞は脚本のブライアン・ハーグローヴ。
 楽曲は、会話が自然に歌になるものと、やや懐古的なショウ・ナンバーとが混在。全体に、ミュージカルよりもプレイに寄っている感が強い。

 ここも役者が揃っている。ビリング・トップはタイン・デイリーだが、彼女を凌いでよかったのが、事実上の主演で花嫁の姉役のリサ・ハワード。10年前に『The 25th Annual Putnam County Spelling Bee』でブロードウェイに登場した人だが、この作品出身の役者は渋い芸達者が多い。>

 タイン・デイリーを初めて観た舞台は1989年リヴァイヴァル版『Gypsy』だが、彼女を有名にしたのは映画ダーティハリー・シリーズ第3弾『The Enforcer』(邦題:ダーティハリー3)。今や知る人も少なくなりつつあるようなので、念のため。ここで演じているのは『Gypsy』のママ・ローズを彷彿させる迫力のジューイッシュ・マザー。
 デイリーとリサ・ハワード(『South Pacific』『9 To 5』)の他には、『Thoroughly Modern Millie』のミアーズ夫人役でトニー賞を獲ったハリエット・ハリス(『Cry-Baby: The Musical』『On The Town』『Rodgers + Hammerstein’s Cinderella』)、『The Little Mermaid』のオリジナル・アリエル役シエラ・ボーゲス、デイヴィッド・バーカ(バーナデット・ピータース版『Gypsy)、『Memphis』のフェリシア役モンテゴ・グローヴァー、チップ・ザイエン(『Into The Woods』『Falsettos』『The Boys From Syrasuse』『Chitty Chitty Bang Bang』『The People In The Picture』)、ジョシュ・グリゼッティ(『Enter Laughing』)、今『Some Like It Hot』に出ているアダム・ヘラー(『Victor/Victoria』『Make Me A Song』『Dancing In The Dark』『Elf』)、マイケル・X・マーティン(『1776』『Kiss Me, Kate』『Oklahoma!』『All Shook Up』『9 To 5』『Ragtime』『Catch Me If You Can』『Nice Work If You Can Get It』『Curtains』『The Bridges Of Madison County』)、エドワード・ヒバート(『Lady In The Dark』『The Green Bird』『Noises Off』『The Drowsy Chaperone』『Curtains』『Anyone Can Whistle』)といった面々が出演していた。

 振付ジョシュ・ローズ(『Rodgers + Hammerstein’s Cinderella』『First Date』)。