The Chronicle of Broadway and me #637(Catch Me If You Can)

2011年3月~4月@ニューヨーク(その6)

 『Catch Me If You Can』(4月1日20:00@Neil Simon Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<トニー賞作品賞最右翼と思わせる出来なのが、同名映画の舞台ミュージカル化のこれ。
 実在した若い詐欺師と彼を追うFBI捜査官の物語で、映画の枠組みをまんま借りて全体をTVショウに見立てたのが、舞台ミュージカルの趣向としてハマっている。
 その設定を受けた’60年代半ば的なモダンなデザインの装置の中で、実に快調に“コン・ゲーム”が展開されるが、背景の人間ドラマもしっかり描かれるあたり、脚本テレンス・マクナリーの、さすがの手腕というべきか。
 楽曲作者マーク・シャイマン、スコット・ウィットマン、演出ジャック・オブライエン、振付ジェリー・ミッチェル、装置デイヴィッド・ロックウェル、衣装ウィリアム・アイヴィ・ロング他、『Hairspray』のスタッフが再結集。
 主演にノーバート・レオ・バッツ、アーロン・トヴェイトの2人を迎え、活気に満ちた、そして心に染みる舞台を作り上げた。
 まずは必見。>

 意外なほど褒めてるのに少し驚く(笑)。7月に再見しているが、そちらの感想でも褒めている。短命に終わったこともあり、自分の中でも印象がしだいに薄くなっていくのか(3月11日プレヴュー開始、4月10日正式オープン、同年9月4日クローズ)。
 そう言えば、4年後の2015年6月に赤坂ACTシアターで紅ゆずる主演の宝塚歌劇星組公演も観たが、観る前に特別な期待を抱かなかったのは、ブロードウェイ観劇時の印象が薄れていたからなのかも。
 トニー賞のノミネーションも、作品賞は候補になったものの、後は、主演男優賞、編曲賞、音響デザイン賞だけ。楽曲賞は候補からも外れた。で、受賞はノーバート・レオ・バッツの主演男優賞のみ。このシーズンでなければ、また違った結果が待っていて、作品の命運も変わっていたのかもしれない。

 ノーバート・レオ・バッツは『Rent』の途中参加でブロードウェイ・デビューした後、(ストレート・プレイにも出演しつつ)ミュージカルは『Thou Shalt Not』『Wicked』と来て、『Dirty Rotten Scoundrels』で主演になり、この作品に到る。一方のアーロン・トヴェイトは、『Hairspray』『Wicked』に途中参加して、『Next To Normal』で注目を浴びた後が、この作品。
 出演は他に、トム・ウォパット(『City Of Angels』『Annie Get Your Gun』『A Catered Affair』『Sondheim On Sondheim』)、ケリー・バトラー(『Bat Boy: The Musical』『Hairspray』『Little Shop Of Horrors』『Xanadu』『Pandra’s Box』)、レイチェル・ディベネデット(『Nine』『Dirty Rotten Scoundrels』『The Addams Family』)、リンダ・ハート(『Anything Goes』『Hairspray』『The Great American Trailer Park』『Gemini』)、ニック・ワイマン(『The Phantom Of The Opera』『A Tale Of Two Cities』)、ジョー・キャシディ(『Show Boat』『1776』『Dirty Rotten Scoundrels』)。

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