The Chronicle of Broadway and me #829(Rails/Single Wide/Napoleon/Deep Love)

2015年7月@ニューヨーク(その7)

 NYMF(ニューヨーク・ミュージカル・シアター・フェスティヴァル)参加作品13本を3分割して簡単な紹介を(その3)。

 『Rails』(7月17日16:00@Studio Theatre/Theatre Row)は、老いた祖母と孫とのファンタジックな過去への旅を描いたミュージカル。と言いつつ、リーディング上演なので、なかなかイメージしにくかったのだが。
 認知症が進んで老人ホームに入ろうとする祖母の記憶を、鉄道好きの孫が自分の想像力で蘇らせる、みたいな話だと思う。
 作曲・作詞トム・ケナストン、作詞・脚本トム・ペイトソン・ケリー。
 演出は『Tonya & Nancy: The Rock Opera』と同じくデイヴィッド・アルパート。

 出演は、ジョー・キャシディ(『Show Boat』『1776』『Dirty Rotten Scoundrels』『Next To Normal』『Catch Me If You Can』『If/Then』)、リン・ウィンターステラー(『A Grand Night For Singing』『Castle Walk』)他。
 


 『Single Wide』(7月17日20:00@PTC Performance Space)は、トレイラー・パーク(キャンプ用のトレイラー・ハウスの駐車場)に住み着いている二世代にわたるシングル・マザー(母と娘)と娘の息子を巡る話。そのトレイラー・パークにPTSD(心的外傷後ストレス障害)を負ったアフガニスタン紛争帰りの男が現れ、息子と親しくなって物語は動き出す。心に傷を負った人々の、ぎこちない心の交流が沁みる。
 ちなみに、シングル・ワイドというのはトレイラー・ハウスの規格のこと。
 作曲・作詞ジョーダン・カマル。脚本・補作詞ジョージ・D・ネルソン。補脚本マクレイン・ネルソン。
 演出・振付ジェフ・ホィッティング。

 出演は、エマ・ストラットン、デレク・カーリー、ステイシア・フェルナンデス(『The Adventures Of Tom Sawyer』『The Drowsy Chaperone』)他。
 


 『Napoleon』(7月18日17:00@Alice Griffin Theatre/Pershing Square Signature Center)は、ナポレオンと、その妻ジョセフィーヌの興亡の歴史を、政治家タレーランの視点で物語るミュージカル。
 作曲・作詞・脚本アンドリュー・サビストン&ティモシー・ウィリアムズ。
 演出リチャード・ウーズニアン。振付サム・ストラスフェルド。

 ナポレオン役は、『Jersey Boys』のブロードウェイ・ロングラン後半に複数の期間フランキー・ヴァリ役で出演していたジョーゼフ・レオ・ブワリー。ジョセフィーヌ役マーガレット・レッサー・ロビンソン。タレーラン役マシュー・パトリック・クィン。
 


 『Deep Love』(7月18日21:00@Alice Griffin Theatre/Pershing Square Signature Center)には、「A Ghostly Rock Opera」というサブタイトルが付いていることが、NYMF全体のプログラムを見るとわかる。それに相応しく、ゴシック・ホラー的な雰囲気の、あの世とこの世を行き来するようなラヴ・ストーリーだった気がするのだが……あまり覚えていない(苦笑)。
 楽曲は題材に相応しくハード・ロック/ヘヴィー・メタル的なものだったと思う。
 作曲・作詞・脚本ギャレット・シャーウッド&ライアン・ヘイズ、脚本ジョン・ピーター・ルウィス。
 演出マイケル・ラダー&ジョン・ピーター・ルウィス。振付レイ・マーサー。

 ギャレット・シャーウッドとジョン・ピーター・ルウィスは主要な役で出演もしている。

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