The Chronicle of Broadway and me #737(Nightmare Alley/Standby/Castle Walk/Boys Will Be Boys)

2013年7月@ニューヨーク(その7)

NYMF(ニューヨーク・ミュージカル・シアター・フェスティヴァル)参加作品12本を3分割して、その1。

 『Nightmare Alley』(7月23日17:00@Alice Griffin Jewel Box Theatre/Pershing Square Signature Center)の元になったのは、1946年出版のウィリアム・リンゼイ・グレシャムの同名小説と1947年の同名映画(邦題:悪魔の往く町)。映画は封切当時はヒットしなかったというが、その後再評価されたらしい。昨年(2021年)、再映画化もされている。
 見世物小屋で“読心術”の秘密を知った男が、それを利用してのし上がり、野望の果てに自滅する物語。

 作曲・作詞・脚本ジョナサン・ブリーリ。
 演出マイケル・ブッシュ。

 出演者に、カレン・メイソン(『And The World Goes ‘Round』『Mamma Mia!』『You Might As Well Live』『Wonderland』)、マイケル・マッカーティ(『42nd Street』『Oklahoma!』『Mary Poppins』)、ローズ・ヘミングウェイ(『How To Succeed In Business Without Really Trying』)といった人たちもいた。


 『Standby』(7月24日13:00@Romulus Linney Courtyard Theatre/Pershing Square Signature Center)は、5人の自殺者が空港ロビーのようなところで待機していると、聖ペトロが登場して……という、いわば宗教的/哲学的な内容(空港ロビーは実はリンボ=辺獄なわけですね)。
 なので、イマイチ理解できないまま話が進む(苦笑)。聖ペトロは『Grease』のティーン・エンジェルを思わせるキャラクターだった気がするが、記憶は曖昧。

 作曲エイミー・ベアー&キース・ロビンソン、作詞・脚本マーク=ユージーン・ガルシア&アルフレッド・ソリス。
 演出カルロス・アルメスト。振付エリザベッタ・スプーリア。


 『Castle Walk』(7月24日17:00@PTC Performance Space)は、アステア&ロジャーズ映画『The Story Of Vernon And Irene Castle』(邦題:カッスル夫妻)でも知られるダンサー夫妻、ヴァーノンとアイリーン・キャッスルの物語。というわけで、アステア&ロジャーズより一時代前のスター。
 その映画でも描かれていたと思うが、イギリス人であるヴァーノンは第一次大戦開始に伴い母国に戻って、空軍での訓練中に事故で亡くなる。
 タイトルの「キャスル・ウォーク」は2人の編み出したタンゴ的なダンス・ステップの名前。

 作曲・作詞・脚本ミルトン・グレンジャー。
 演出・振付リチャード・スタッフォード。

 アイリーン役リン・ウィンターステラー(『A Grand Night For Singing』)。ヴァーノン役ブレット・シュフォード(『Chitty Chitty Bang Bang』『The Little Mermaid』)。


 『Boys Will Be Boys』(7月24日21:30@Studio Theatre/Pershing Square Signature Center)の舞台はニュージャージーのロディという街。ゲイのアスペルガー症候群患者のための資金調達を目的とした友人たちのショウ、という設定。
 「An OUT-rageous Musical Revue!」というサブタイトルが付いていて、セックスやセクシャリティに関する“お下劣”な表現が飛び交う。上掲写真右のコンドームは、劇場で観客に配られたもの。

 作曲ケネス・キャクマー、作詞・脚本ジョー・ミローシャ。
 演出・振付ジョー・バロース。

The Chronicle of Broadway and me #737(Nightmare Alley/Standby/Castle Walk/Boys Will Be Boys)” への2件のフィードバック

コメントを残す