The Chronicle of Broadway and me #634(How To Succeed In Business Without Really Trying)

2011年3月~4月@ニューヨーク(その3)

 『How To Succeed In Business Without Really Trying』(3月30日14:00@Al Hirschfeld Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<この作品は1995年のマシュー・ブロデリック版を観ている。今回の主演は、映画『ハリー・ポッター』シリーズで知られるダニエル・ラドクリフ。水曜マティネーだったせいもあると思うが、劇場は彼目当ての若い女子客でいっぱいだった。
 「ミュージカル初出演だが、歌も踊りも破綻はない(どちらも特にうまいわけではないが)。」というのはブロデリック版初見の感想だが、ラドクリフについても全く同じ。
 ではあるが、ラドクリフには、ブロデリックの持つ“イノセントでちゃっかりした”感じの“不思議な魅力”がない。その分、物足りない。
 が、それを補って余りあるのが、ダンサー陣の縦横無尽の活躍。なにしろ、この作品、初演でボブ・フォッシーが、再演のブロデリック版ではウェイン・シレントが振付に関わっているぐらいで、ダンスの見どころ満載。今回はロブ・アシュフォードが演出と共に振付も担当して、前作『Promises, Promises』で見せた以上の群舞のオンパレードになっている。
 そういう意味で、実に楽しい。>

 作曲・作詞フランク・レッサー。脚本エイブ・バローズ、ジャック・ワインストック、ウィリー・ギルバート。ワインストックとギルバートは、2日後に観た『Catch Me If You Can』の脚本も担当している。

 ラドクリフ以外の主な出演者は、社長役がTVや映画で知られていたジョン・ラロケット(ブロードウェイ・デビュー)、ローズマリー役ローズ・ヘミングウェイ、バド役クリストファー・J・ハンカ(『In My Life』『Cry-Baby: The Musical』)、ローズマリーの友人スミッティ役メアリー・フェイバー(『American Idiot』)、社長の愛人ヘディ・ラルー役タミー・ブランチャード(『Gypsy』)、社長秘書役エレン・ハーヴェイ(『The Music Man』『Thou Shalt Not』)、人事部長ブラッド役マイケル・ポーク(『Smokey Joe’s Cafe』『Little Me』)、郵便室長トゥウィンブル役ロブ・バートレット(『Little Shop Of Horrors』『Sweet Charity』)。珍しいところでは、録音によるナレーションで、ニュース・キャスターとして知られるアンダーソン・クーパーが参加していた。