The Chronicle of Broadway and me #398(Sweet Charity)

2005年4月@ニューヨーク(その4)

 『Sweet Charity』(4月16日14:00@Al Hirschfeld Theatre)について、観劇当時、旧サイトに書いた感想は次の通り(<>内)。

<ボブ・フォッシー(演出・振付)の1966年作品のリヴァイヴァル。
 主演のクリスティーン・アップルゲイトが地方公演中にケガしたり、プレヴュー開始前に中止のアナウンスが出たりと、なにやらバタバタしていたが、無事に公演開始。出来は悪くない。
 アップルゲイト復帰前のプレヴューを支えるチャリティ役は、リヴァイヴァル版『Chicago』で長くロキシー役を務めたシャーロット・ダンボワーズで、見事にハマった彼女が、まず、いい。さらに相手役デニス・オヘア(『Assassins』)の個性が光る。
 フォッシー・スタイルを残しつつ改変を試みたウェイン・シレントの振付が最も評価の分かれるところか。個人的には楽しんだが。>

 シャーロット・ダンボワーズは、インターネット・ブロードウェイ・データベースで検索するとチャリティの代役としてクレジットされているが、アップルゲイトが出演するまでのプレイビルでは正規の主演扱いになっていた(アップルゲイトはこの年9月に観ることになる)。
 チャリティのダンサー仲間で、前半のハイライト・ナンバー「Big Spender」の中心になるニッキーとヘレンは、ジャニーン・ラマンナとカイラ・ダ・コスタ。
 チャリティが寝室に入り込んで「If My Friends Could See Me Now」を歌うことになる有名俳優ヴィットリオ・ヴィダル役は、キャシー・リグビー版『Peter Pan』でフック船長を演じていたポール・ショーフラー。

 演出はリヴァイヴァル版『Chicago』のウォルター・ボビー。

 これがブロードウェイでは2度目のリヴァイヴァルで、個人的には初めて観るブロードウェイ公演。それ以前に観たことがあったのは、1992年の島田歌穂主演の翻訳公演と1998年の一夜限りのチャリティ・イヴェント『Sweet Charity: The Concert』だけ。待望の本格的再演だった。幸いだったのは、ダンスの見どころを『Fosse』でオリジナルに近い形で(何度も)観ていたので、振付の変更を確認して楽しむ余裕があったこと。

 ちなみに、初演のグエン・ヴァードン版は当然未見。仮に楽曲(作曲サイ・コールマン×作詞ドロシー・フィールズ)だけを採り上げても傑作だと思うのだが、1965/1966年のトニー賞での受賞はボブ・フォッシーの振付賞のみに留まっている。このシーズンのブロードウェイは『Man Of La Mancha』『Mame』の年で、賞はほぼ両作品への振り分け。革新的な『Man Of La Mancha』には納得がいくが、『Mame』はどうなんだろうと頭を傾げたりもする。が、まあ、賞は巡り合わせ。時代の空気もあるし。とはいえ1年半で終わったのは、賞獲得の少なさと無関係ではあるまい。
 で、最初のブロードウェイ・リヴァイヴァルが個人的なブロードウェイ初訪問の2年前、1986年。デビー・アレン主演で、フォッシーが自ら演出・振付。その時のニッキー役がビビ・ニューワースで、トニー賞助演女優賞を獲得。他に、初演の埋め合わせのように、リヴァイヴァル作品賞(名称としてはベスト・リプロダクション)、助演男優賞、衣装デザイン賞も受賞。が、ブロードウェイ公演は1年弱で終了。そのままツアーに出て、ワシントン公演の時にフォッシーが亡くなっている。

 下はオマケ。初演公演中の1967年3月5日、エド・サリヴァン・ショウで演じられた「If My Friends Could See Me Now」のシーン。グエン・ヴァードンが上手すぎてシビレる。一緒に出ているのはヴィットリオ・ヴィダル役ジェイムズ・ルイジ。

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