The Chronicle of Broadway and me #509(Cry-Baby: The Musical)

2008年4月@ニューヨーク(その7)

 『Cry-Baby: The Musical』(4月5日20:00@Marquis Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

『Cry-Baby: The Musical』は、『Hairspray』に次ぐジョン・ウォーターズ映画の舞台ミュージカル化。脚本家やプロデューサーもダブる。
 音楽的には、『Hairspray』が’60年代R&Bへのオマージュなら、こちらは’50年代ロックンロール。ってとこが『Grease』とカブって、しかも『Grease』を超えていない。そこが物足りない。
 ドラマの芯が『Hairspray』ほどガツンとしていないのも弱い。
 ただし、ダンスには観るべきものがある。>

 上記の通り、メインのプロデューサー(アダム・エプスタイン)と脚本(マーク・オドネル&トーマス・ミーハン)が『Hairspray』と同じ。
 デイヴィッド・ジャヴァーバウム&アダムシュレシンジャーによる楽曲は、感想にあるようにオマージュ色が強いが、イキがよくて楽しい。「『Grease』を超えていない」と書いているが、なぜだろう。思い出せない(苦笑)。ただ、舞台は短命に終わっている(プレヴュー開始3月15日、正式オープン4月24日、クローズ6月22日)。

 主演はジェイムズ・スナイダー(ブロードウェイ・デビュー)。他に、エリザベス・スタンリー(『Company』)、ハリエット・ハリス(『Thoroughly Modern Millie』)、チェスター・グレゴリー二世(『Tarzan』)、クリストファー・J・ハンカ(『In My Life』)、アリ・マウズィー、等々。

 演出マーク・ブロコウ。振付ロブ・アシュフォード(『Thoroughly Modern Millie』『The Boys From Syracuse』『The Wedding Singer』『Curtains』)。

 元の映画は、映画『Hairspray』の2年後(1990年)に作られたジョニー・デップの初主演作。デップと監督ジョン・ウォーターズの組み合わせは、絶妙っちゃ絶妙。ヘンテコな雰囲気の映画に仕上がっている。そのヘンテコさの中に、『Hairspray』同様の偏見に対する抗議が含まれているのだが、舞台版は、そこのところがうまく表現できていなかった気がする。

The Chronicle of Broadway and me #509(Cry-Baby: The Musical)” への21件のフィードバック

コメントを残す