The Chronicle of Broadway and me #574(Andy Warhol Was Right/R.R.R.E.D.: A Secret Musical/Fat Camp/Marrying Meg/Under Fire)

2009年10月@ニューヨーク(その6)

 NYMF(ニューヨーク・ミュージカル・シアター・フェスティヴァル)参加作品特集。全16本を3分割して、その2。

 『Andy Warhol Was Right』(10月3日20:00@MMAC)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<ダンス作品。上演されたMMAC(Manhattan Movement and Art Center)は、バレエも含むダンスのスタジオを兼ねた複合劇場。
 「誰もが15分間は有名になれる」というウォーホルの発言を核に、1968年(ウォーホルが撃たれた年)の彼とその周辺の様子を、熱のこもったダンス表現で綴る。
 ’60年代後半気分横溢で楽しい。>

 作曲ダニエル・S・アクイースト(『Wild About Harry』)。脚本サミー・バック。
 演出ジョヴァンナ・サーデリ。振付ダリル・グレイ、ダーレン・リー&シェア・サリヴァン(『Wild Abou Harry』『The Cure』)。


 『R.R.R.E.D.: A Secret Musical』(10月3日23:00@Tank At 45 Street Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<「R.R.R.E.D.」とは「The Real Redhaired Revolutionary Evolutionary Deflance」という組織の略称。赤毛に対する迫害に反対する革命組織で、その辺が副題の“秘密のミュージカル”ということになるのだろう。
 観客はR.R.R.E.D.の情宣活動に巻き込まれた形で、音楽で“赤毛革命”思想を吹き込まれる。果ては、賛同者の振りをして会場に現れたゲストの正体(スパイ!)を見破って壮絶な流血戦に。
 大笑いで観たが、プログラムには、ご丁寧に「Based On A True Story」と書かれていた。真偽のほどは不明(笑)。>

 作曲・作詞・脚本ケイティー・トンプソン。脚本アダム・ジャックマン&パトリック・リヴィングストン。
 演出アンディ・サンドバーグ。振付は『Andy Warhol Was Right』のシェア・サリヴァン。
 作者であるケイティー・トンプソンとパトリック・リヴィングストンがメインのキャストとして出演している。


 『Fat Camp』(10月4日13:00@Acorn Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<すぐにでもオフで上演できそうな仕上がりだった作品。
 内容は、『The 25th Annual Putnam County Spelling Bee』に映画『School Of Rock』をプラスした感じ(『Spelling Bee』の印象的なオリジナル・キャスト、サラ・サルツバーグが出演!)。
 肥満な高校生のための夏休みダイエット・キャンプを舞台に、陰湿なデブ差別に邁進する歪んだ精神のコーチらのいじめを克服する中で、個々に悩みを抱えた参加者たちが自信を取り戻す話は、B級の青春映画的な面白さ。
 ま、あくまで B級ですが。>

 作曲マシュー・ロイ・バーガー、作詞・脚本ランディ・ブレア、脚本ティモシー・マイケル・ドラッカー。
 演出アレックス・ティンバーズ(2006年NYMF参加作品『Gutenberg!: The Musical!』のオフ版)。振付コナー・ギャラガー。
 


 『Marrying Meg』(10月4日16:00@Theatre At St. Clements)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<元は、アレグザンダー・リードという人がスコットランドの2つの民話を紡ぎ合わせて書いた劇作らしい。そのミュージカル化。
 ブロードウェイ出演経験のある役者がずらりと揃って、下世話な表現を含みながらも、シェイクスピアの喜劇を思わせる上質な仕上がり。
 役者の格はミュージカルでも歌舞伎でも威力を発揮するものだな、と改めて思う。>

 作曲・作詞・脚本マーク・ロバートソン。
 演出デイヴ・ソロモン。振付ベサニー・ペッティグルー。
 出演は、終わって間もない『9 To 5』からキャシー・フィッツジェラルド(『Swinging On A Star』『The Producers』)とリサ・ハワード(『The 25th Annual Putnam County Spelling Bee』『South Pacific』)とトリー・ロス(『Cry-Baby: The Musical』)、前年に閉まった『Curtains』からマイケル・マッコーミック(『Kiss Of The Spider Woman』『1776』『Marie Christine』『Gypsy』『The Pajama Game』『Dr. Seuss’ How the Grinch Stole Christmas!』)とジム・ニューマン(『Steel Pier』『Minnelli On Minnelli』)とステファニー・ユール・ビネッティ。他に、ウィリアム・ライアル(『Me And My Girl』『Grand Hotel: The Musical』『The Best Little Whorehouse Goes Public』『How To Succeed In Business Without Really Trying』『High Society』『Seussical』『Chitty Chitty Bang Bang』『Dr. Seuss’ How The Grinch Stole Christmas!』『Guys And Dolls』)、スティーヴン・バーガー(『The Pajama Game』)ら。


 『Under Fire』(10月4日20:00@Theatre At St. Clements)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<同名映画(1983年)の舞台ミュージカル化。
 ニカラグアの内戦を取材するアメリカ人カメラマンが、政府軍と革命軍の狭間で正義とは何かを自問する。簡単に言うと、そういう内容だが、楽曲も含め表現が説明的で、ストーリーをなぞっているという印象に終始した。>

 作曲・作詞グラント・ストゥリアル。作詞・脚本・演出のバリー・ハーマンは1988年のブロードウェイ・ミュージカル『Romance/Romance』でやはり作詞・脚本・演出を手がけた人。
 振付ジョナサン・スチュアート・セルーロ。
 メインの役者は、ジャック・ノーズワーシー(『Jerome Robbins’ Broadway』『Sweet Smell Of Success』)、ジョディ・スティーヴンス(『Jekyll & Hyde』『Urban Cowboy: The Musical』)。