The Chronicle of Broadway and me #854(The Robber Bridegroom)

2016年3月~4月@ニューヨーク(その10)

 『The Robber Bridegroom』(4月1日19:30@Laura Pels Theatre/Harold and Miriam Steinberg Center for Theatre)は、1975年初演のブロードウェイ・ミュージカルのオフでのリヴァイヴァル。
 この作品、そもそもは’70年代初頭にオフのセイント・クレメンツ劇場でラウル・ジュリア主演のワークショップ上演が行なわれたらしい。その後、ニューヨーク州サラトガ・スプリングスで、ケヴィン・クライン、パティ・ルポンらの出演で上演され、そのカンパニーで1975年夏にシカゴのラヴィニア・フェスティヴァルに参加。そのまま、同年秋のブロードウェイ初演へと続く(2週間弱の期間限定公演)。その後ツアーに出て、約1年後にブロードウェイに帰還。演出を変えた再オープン公演は4か月強続いている(主演カップルはバリー・ボストウィックとロンダ・コレット)。以上ウィキペディア情報。

 開演前、安っぽい垂れ幕が下りていて、全体が旅回りの一座による田舎芝居を思わせる設定。演じられるのは、18世紀のミシシッピが舞台の冒険活劇(?)コメディ。脚本はストレート・プレイ『Driving Miss Daisy』で知られるアルフレッド・ウーリー。原作はユードラ・ウェルティの短編小説らしい。
 森を根城にするロビン・フッド的な盗賊、大農園主、その愛娘、娘を邪魔に思う義母、トランクの中で頭だけで生き続ける男(首から下がない)、そのトランクを運ぶ弟、等々のおかしな連中が登場。ピアノ、ギター、バンジョー、マンドリン、フィドル、アップライト・ベース等で陽気なブルーグラスを奏でる5人組のバンド・メンバー(舞台に登場)と共に、策略や勘違いや行き違いで混乱を極めるお話を繰り広げる。

 とにかく、ロバート・ウォルドマン(作曲)、アルフレッド・ウーリー(作詞)の楽曲が魅力的。おまけにドラマも、おかしくてテンポがよくて、実に楽しい舞台。
 演出が『Bloody Bloody Andrew Jackson』のアレックス・ティンバーズ(『The Pee-wee Herman Show』『Peter And The Starcatcher』『Rocky』)というのもうなずける。振付コナー・ギャラガー(『Fat Camp』『Bunnicula』)。

 出演は、盗賊役スティーヴン・パスクァール(『A Man of No Importance』『The Bridges Of Madison County』)、大農園主役ランス・ロバーツ(『The Pee-wee Herman Show』『Sister Act』『Ghost: The Musical』)、その娘役アーナ・オライリー、義母役レズリー・クリッツァー(『Legally Blonde: The Musical』『A Catered Affair』『A Letter To Harvey Milk』『Nobody Loves You』『Piece Of My Heart: The Bert Berns Story』)、頭だけのトランク男役エヴァン・ハリントン(『The Phantom Of The Opera』『Avenue Q』『Once』『Peter And The Starcatcher』)、その弟役アンドリュー・ドゥランド(『The Burnt Part Boys』)他。

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