The Chronicle of Broadway and me #610(The Burnt Part Boys)

2010年6月@ニューヨーク(その4)

 『The Burnt Part Boys』(6月 9日20:00@Playwrights Horizons)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<舞台は1962年のウエスト・ヴァージニア。
 炭鉱事故で亡くなった父の痕跡を追って山奥の廃坑を訪ねる少年とその仲間。それに気づいて後を追う兄と友人。
 映画『Stand By Me』に似た気配を漂わせつつ、最後は落盤事故を経て亡霊たちとの交感があり、しみじみとした感動が待っている。簡素な舞台で派手さはないが、いい作品。
 ブルーグラス的な楽曲・演奏も、清新な魅力があり、よかった。>

 The Burnt Partというのは事故の起こった炭鉱の名前。
 炭鉱事故を扱ったミュージカルと言えば2020年の『Coal Country』を思い出すが、いずれにしても、歴史的あるいは社会的事件に根差した舞台作品を作るという姿勢がミュージカルの分野でも“普通に”脈々と生きていることが素晴らしい。

 作曲クリス・ミラーと作詞ネイサン・タイセンは、後にオンで『Tuck Everlasting』を生み出すコンビ。そしてタイセンは、2022シーズンの『Paradise Square』の作詞者でもある。脚本マリアナ・エルダー。
 演出は、これ以前にオフで『Sarah, Plain And Tall』『Floyd And Clea Under The Western Sky』という佳作を手がけてきているジョー・カラルコ。
 プレイライツ・ホライズンズとヴィニヤード劇場との共同プロデュース。力が入っているはずだ。

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