The Chronicle of Broadway and me #462(Floyd And Clea Under The Western Sky)

2006年11月@ニューヨーク(その7)

 『Floyd And Clea Under The Western Sky』(11月25日20:00@Playwrights Horizons)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<オフで最も面白かったのが、これ。
 半ば世捨て人のようになっている酔いどれの中年シンガー・ソングライターと、プロの歌手を目指す孤独な少女とが、歌を通じて心を通わせ、愛し合うようになる。そんな一見ありがちなラヴ・ストーリーが、固定されたセットにもかかわらず、2人の役者(フロイド役デイヴィッド・ケイル、クレア役メアリー・フェイバー) の歌の力でロード・ムーヴィーのごとく興味深く展開していく。
 舞台上にいてカントリー風味の渋い演奏を聴かせるバンドも素晴らしい。>

 出演者デイヴィッド・ケイルは、この作品の楽曲作者・脚本家でもある。1950年代末に生まれたイギリス人で、ウィキペディアによれば、ロック・シンガーとして成功しなかったので、心機一転、20歳の頃にニューヨークに渡って来たらしい。で、作詞や詩の朗読を経て一人芝居を始めるようになり、1997年の『Lillian』という作品でオビー賞を獲る、と。そんなケイルとは、ここから約13年後の2019年7月にパブリック・シアターで上演された一人ミュージカル『We’re Only Alive For A Short Amount Of Time』で再会することになる。
 共演のメアリー・フェイバーは、前年にケイト/ルーシー役他で『Avenue Q』に途中参加してブロードウェイ・デビューを果たしている。ちなみに、結婚相手はパンチ・ブラザーズのフィドル奏者ゲイブ・ウィッチャー。

 共作曲者、及び音楽監督、編曲者としてクレジットされているジョナサン・クレイズバーグはジャズ・ギタリストとして知られる人らしい。今作の作風からすると意外な感じ。
 演出はジョー・カラルコ(『Sarah, Plain And Tall』)。
 「固定されたセット」とは、ピックアップ・トラックの運転席部分。つまり、西部の空の下、トラックで旅している、という設定。装置デザインはデイヴィッド・コリンズ。

The Chronicle of Broadway and me #462(Floyd And Clea Under The Western Sky)” への3件のフィードバック

コメントを残す