The Chronicle of Broadway and me #522(In Transit)

2008年8月@ニューヨーク(その4)

 『In Transit』(8月9日14:30@Theatre At St. Peter’s)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

『In Transit』は、この教会地下の劇場が恒常的に行なっているオリジナル・ミュージカルのリーディング形式上演シリーズの1つ。
 6人の役者と、ボックスマンと称するヒューマン・ビートボックス演者(=マイクを口に当てて様々な音でリズムを紡ぎだす、あれです)による、ア・カペラ・ミュージカルで、ニューヨークの交通機関を舞台に、恋愛を軸にしたコミュニケーション回復のドラマ(ここでも!)が描かれる。
 コント的な短い場面がバラバラに現れ、それらが、やがて絡み合い……という手法が、オーソドックスながら、よくできていて、案外沁みた。>

 後にブロードウェイにまで進出することになる作品との出会い。元々は、2004年の第1回ニューヨーク・ミュージカル・シアター・フェスティヴァル(NYMF)『Along the Way』というタイトルで参加していたようだ。このリーディング上演の2年後に通常のスタイルでの公演がオフで行なわれ、さらに6年の時を経てブロードウェイに到る。

 作曲・作詞・脚本クリステン・アンダーソン=ロペス(後に『Frozen』)、ジェイムズ=アレン・フォード、ラッセル・M・カプラン&サラ・ワーズワース、原案は以上の4人に、グレゴリー・T・クリストファー、カーラ・モンバーガーを加えた6人。
 演出ジョー・カラルコ(『Sarah, Plain And Tall』『Floyd And Clea Under The Western Sky』)。
 出演は、デニス・サマーフォード、グレアム・スティーヴンズ、ハナ・レアード、アダム・オーヴァレット、ライアン・トーマス・ダン、アン・サンダーズ、アダム・マッタ。初めの3人はオフ通常版にも出演、残る4人は出演せず。ブロードウェイ版には誰も登場していない。