The Chronicle of Broadway and me #531(Love Jelly/Fairy Tale/Bonnie & Clyde: A Folktale/College: The Musical/Max And The Truffle Pig/The Hatpin/Heaven In Your Pocket/Wild About Harry/The Road To Ruin)

2008年9月@ニューヨーク(その6)

 NYMF(ニューヨーク・ミュージカル・シアター・フェスティヴァル)参加作品特集。前半戦に続き、後半戦をまとめて(と言っても観られたのはフェスティヴァル全体の1/3前後、その後半という意味です)。いずれも当時感想を書き残していないので、データ的なことを中心に。

 『Love Jelly』(9月19日13:00@TBG Theatre)は、マッチョな兄と同性愛的指向を持つ弟の兄弟愛の行方を描いた作品。
 作曲・作詞・脚本のミーガン・ゴガーティは、劇作家にしてスタンダップ・コミックの人でもあるらしい。一人芝居もやっているようだ。
 演出ヒラリー・アダムズ(『Look What A Wonder Jesus Has Done』)。
 出演者にドナ・リン・チャンプリン(『Hollywood Arms』『My Life With Albertine』『Sweeney Todd』)の名前がある。
 

 『Fairy Tale』(9月19日16:30@45th Street Theatre)は、ゲイ・ピープル版『Sleeping Beauty』。眠らされるのが王子で、マレフィセントにあたるのがドラァグ・クイーン、という趣向。
 作曲・作詞ジョン・D・ブロンストン二世。脚本ジョシュア・ロビンソン。
 演出ロブ・マッキントッシュ。
 

 『Bonnie & Clyde: A Folktale』(9月19日19:00@ATA Chernuchin Theatre)は、脚本を俳優のハンター・フォスター(『Urinetown』『Little Shop Of Horrors』『Frankenstein』)が書いて話題に。もちろん、あの男女2人組のギャングの話。
 
作曲・作詞のリック・クロムは、2004年初演の『NEWSical』を手がけ(この時点で未見)、また、役者として『The Goodbye Girl』『Urinetown』や最初のオフ版『Merrily We Roll Along』等に出ている。
 
演出マーク・ウォルドロップ(『When Pigs Fly』)、振付ジョシュ・ローズ。
 
ボニー役ダイアン・デイヴィス、クライド役ジェイソン・ウートゥン。
 

 『College: The Musical』(9月19日22:00@ATA Chernuchin Theatre)は、現代の“キャンパス・ライフ”の内側(?)を描いたミュージカル。
 作曲・作詞・脚本ドリュー・フォーナローラ&スコット・エルメグリーン。
 演出ジェレミー・ドブリッシュ(『Blood On The Dining Room Floor』『I See London I See France』)、振付ブー・キレブリュー。
 出演は、ブランドン・エスピノーザ(『Big』『Gypsy』)、モリー・イフラム(『Into The Woods』『Fiddler On The Roof』)、サンディ・ローゼンバーグ(『The Scarlet Pimpernel』)他。
 

 『Max And The Truffle Pig』(9月20日13:00@45th Street Theatre)の原作は、ジュディス・グウィン・ブラウンの同名絵本。ルイ14世時代のフランスで、レストランの息子が豚を連れて森にトリュフを探しに行くのだが……という話。
 作曲バート・ドリーゼル、作詞ナンシー・リーズ。脚本スザンヌ・ブラッドビア。
 演出・振付エリカ・グールド。
 

 『The Hatpin』(9月20日16:30@ATA Chernuchin Theatre)はオーストラリアのプロダクション。
 19世紀末から20世紀初頭にかけて、主にイギリス、あるいはオーストラリアやアメリカの一部に、養育費を受け取って代わりに子供を育てる“ベイビー・ファーミング”という制度があり、とある夫婦の“ベイビー・ファーマー”が養育費を受け取りながら子供たちを殺すという事件が起こった。その実話を元にした作品。
 作曲ピーター・ラザフォード、作詞・脚本ジェイムズ・ミラー。
 演出キム・ハードウィック。
 メインの女優2人、アレクシス・フィッシュマンとキャロライン・オコナー(『Hot Stuff』『Anastasia The Musical』)はオーストラリア出身。他に、ポール・カンデル(『The Who’s Tommy』『Jesus Christ Superstar』)、シリラ・ベア(『Adding Machine』)らが出演していた。
 

 『Heaven In Your Pocket』(9月21日13:00@45th Street Theatre. 45th St.)は、オクラホマ出身の女性3人組ヘヴンリー・ベルズが、スターになるためにナッシュヴィルに向かう途中で立ち寄った、カンザス・シティに近い湖畔のラウンジが舞台。遺産話やイカしたカウボーイに出会って、夏の間滞在することになり……。
 作曲・作詞・脚本のマーク・ヒューストンは、この時点ですでに故人だったようだ。彼の書いた『Six Women With Brain Death Or Expiring Minds Want To Know』というレヴューがよく知られているらしい。共同脚本脚本フランシス・J・カリナン&ダイアン・スポシート。
 演出アラン・スーザ、振付チャック・サキュラ。
 ヘヴンリー・ベルズの3人は、レベッカ・スペンサー、フェニックス・ヴォーン、リサ・アッシャー。
 

 『Wild About Harry』(9月21日16:00@MMAC(Manhattan Movement and Art Center))は、5人の振付家が携わったダンス主体のショウ。
 筋としては、この前年に亡くなった有名な実業家レオナ・ヘルムズリーの生涯を描いている。彼女、ウィキペディアによれば、「徹底的な仕事至上主義、短気で非情、強欲なところから、Queen of Mean(意地悪女王)と呼ばれた」らしい。タイトルの「ハリー」はレオナの3度目の結婚相手“不動産王”ハリー・ヘルムズリーのこと。
 作曲ダニエル・S・アクイースト。脚本スーザン・ディラーロ。
 演出エリザベス・ルーカス。振付は、ジョシュア・バーガッシー、モーリス・ブランドン・カリー、ダリル・グレイ、ジェフ・シェイド、シェア・サリヴァン。
 

 『The Road To Ruin』(9月21日20:00@45th Street Theatre)は、1920年代から1930年代にかけて作られていた、“道徳”を説くふりをしてエグい描写をする偽善的な映画のパロディ。“正しい道”を進むために“やってはいけないこと”が具体的に示されていく、という手法。
 作曲・作詞・脚本ウィリアム・ゼッフィロ。主にキャバレー・シーンで活躍する人のようだ。
 演出メアリー・キャスリン・バーク(『Austentatious』)、振付シェア・サリヴァン。
 出演は、ブルック・サニー・モリバー(『Parade』『James Joyce’s The Dead』『The Wild Party』『Follies』『The Threepenny Opera』)、アン・モリソン(『Merrily We Roll Along』『LoveMusik』)、他。

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