The Chronicle of Broadway and me #442(The Threepenny Opera)

2006年4月@ニューヨーク(その5)

The Threepenny Opera』(4月21日20:00@Studio 54)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<リヴァイヴァル『The Threepenny Opera』(邦題:三文オペラ)は、やはりラウンダバウトの作ったヒット・リヴァイヴァル『Cabaret』でスターになったアラン・カミングが主演。
 もとより因縁浅からぬ両作だが、劇場も『Cabaret』が途中で引越して行った先で、演出家は違うが全体の暗く冷たい感触もよく似ている。
 舞台上は個性的な役者たちの演技合戦の様相を呈し(シンディ・ローパーの演技は心許ないが)、非常に見応えがある。ではあるのだが、カーテンコールもないという突き放した演出は(終わると電光掲示板に「GO HOME」と出る)、ややカタルシスに欠け、不満が残る。>

 原作はクルト・ヴァイル(作曲)×ベルトルト・ブレヒト(作詞・脚本)によるドイツ語版。それを、今回はウォーレス・ショウンが新たに英語に翻訳しているが、大元は、ジョン・ゲイ作『The Beggar’s Opera』で、それをエリザベート・ハウプトマンが英語からドイツ語に翻訳。さらにブレヒトが改作してでき上がった。
 英語詞でスタンダード・ナンバー化して「Mac The Knife」のタイトルで広く知られる「Die Moritat von Mackie Messer」(メッキー・メッサーのモリタート)他、印象的な楽曲が並ぶ。

 出演者は、上記のアラン・カミング(マクヒース=メッキー)、シンディ・ローパー(ジェニー)の他に、ジム・デイル(ピーチャム)、アナ・ギャステイヤー(ピーチャム夫人)、ネリー・マッケイ(ポリー・ピーチャム)。以上の5人の名前がプレイビルの表紙ページでは作品タイトルの上に並ぶ。
 シンディ・ローパーとネリー・マッケイは本来はシンガー・ソングライターで、これがブロードウェイ・デビュー(でもって、出演は今のところこれ1作)。このあたりの話題作り的人選が、ラウンダバウトの期間限定公演ぽい。
 個人的には『Swinging On A Star』以来約10年ぶりにテリー・バレルに出会えて、うれしかった。

 演出スコット・エリオット。振付アスジュル・バートン。

 なお、上記感想に、1998年の『Cabaret』を「ラウンダバウトの作った」と書いているが、その元となったのは、同じサム・メンデス演出のロンドンのドンマー・ウェアハウス版。一応、追記しておきます。

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