The Chronicle of Broadway and me #443(Lestat)

2006年4月@ニューヨーク(その6)

『Lestat』(4月22日20:00@Palace Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

『The Lion King』『Aida』に関わったエルトン・ジョンが、前2作で組んだティム・ライスではなく長年の相棒バーニー・トウピンと楽曲を書き、『Beauty And The Beast』の脚本家と演出家が参加した“非”ディズニー作品『Lestat』
 ネタは、最近ブロードウェイで2本続けてハズしている吸血鬼もの。ただし、「The Vampire Chronicles」(ヴァンパイア年代記)という原作を持つこの作品の吸血鬼は、飛ばないし、十字架も恐れない。彼らは不死身となって何百年も生き続け、その孤独さに苦悶する。
 『Les Miserables』の線を狙ったと思われるが、哲学的な分、ストーリーやセリフが思わせぶりで退屈。息子に血を吸われて若返り、溌剌とした演技を見せるキャロリー・カーメロは印象に残る。>

 エルトン・ジョンがディズニーから離れて、これはワーナー・ブラザーズ・シアター・ヴェンチャーズの製作。上に書いたことをもう少し詳しく言うと、脚本家リンダ・ウールヴァートンは『Beauty And The Beast』『The Lion King』『Aida』に、演出家ロバート・ジェス・ロスも『Beauty And The Beast』に参加していたスタッフ。ついでに言うと、振付(ミュージカル・ステイジング)も『Beauty And The Beast』組のマット・ウェスト。内部事情はわからないが、この作品が、もし当たっていたら、ディスニーとしては面白くなかったかもしれない。当たらなかったが(プレヴュー1か月、本公演1か月でクローズ)。
 もう1つ、上の感想の中に書いてある「ヴァンパイア年代記」について付け加えると、そう呼ばれているのはアン・ライスの書いた吸血鬼小説のヒット・シリーズで、その第1作がトム・クルーズ主演で映画化された「Interview With The Vampire」(小説邦題:夜明けのヴァンパイア/映画邦題:インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア)。日本でも主要作品は概ね翻訳出版されたようだ(売れなかったらしいが)。
 さらにもう1つ、上の感想に付け加えて言うと、「『Les Miserables』の線を狙った」というのが何のことを指しているのか全く覚えていない(笑)。楽曲について「一本調子の辛気臭いオペラ風」と感じていたようなので、その辺のことを言っているのかも(『Les Miserables』がそうだという意味ではありません)。自分のことなのに、あくまで推測ですが(苦笑)。

 出演は、上記キャロリン・カーメロ(『Falsettos』『Parade』)の他に、主演のレスタット役(前述の映画で言うとトム・クルーズの演じた役)が、プレイビルで「『The Phantom Of The Opera』でファントムとラウルの両方を演じたことのある数少ない役者の1人」と紹介されているヒュー・パナロ(『Side Show』)、映画でブラッド・ピットの演じたルイ役がジム・スタネク、キルスティン(キアステン)・ダンストの演じたクローディア役がアリソン・フィッシャー。

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