The Chronicle of Broadway and me #777(Just Jim Dale)

2014年6月@ニューヨーク(その4)

 『Just Jim Dale』(6月11日14:00@Laura Pels Theatre/Harold and Miriam Steinberg Center for Theatre)は、イギリス出身の俳優/ダンサー/歌手ジム・デイルのソロ・パフォーマンス。

 アメリカではおそらく、トニー賞主演男優賞を受賞したミュージカル『Barnum』で知られているんじゃないかと思われるジム・デイルは、1935年8月15日生まれ。なので、この時78歳(これを書いている2022年11月時点で87歳、ご健在)。
 これ以前に観ているのは、1997年リヴァイヴァル版『Candide』、1998年6月の『Sweet Charity: The Concert』2006年リヴァイヴァル版『The Threepenny Opera』。いつも飄々とした感じで、かつ、どこか哀愁を漂わせながら、観客の心を惹きつける演技をする人、というイメージ。

 そんなジム・デイルの芸能人生を、まるで近所に買い物に行くような地味な服装で出てきた本人の、語りと歌とちょっとした踊りで振り返ろうというのが、このショウ。脚本も彼自身が書いている。
 そもそも子供の頃からコメディアンとして舞台に出ていたという彼の語り口には、出自を反映してか、イギリスのミュージック・ホールの香りがある。伴奏がピアノ1台だけなのも、そんな雰囲気を生んでいる要因。弾いているマーク・ヨークは、プレイビルによれば2006年からデイルと組んでいるようだ。
 歌われる楽曲は、これまでデイルが出演してきたミュージカル・ナンバーを中心にしつつ、全体にイギリス色が濃い選曲。そんな中ハイライトになるのは、デイル自身が作詞を手がけた「Georgie Girl」。オーストラリアのグループ、ザ・シーカーズが歌った1966年のシングルは世界中で大ヒットした。ちなみに、作曲したトム・スプリングフィールドは、歌手ダスティ・スプリングフィールドの兄。2012年にオフで観たミュージカル『Forever Dusty』では、ちょっとヤなやつとして描かれている人(苦笑)。

 演出は、この手のレヴュー的作品が得意なリチャード・モルトビー・ジュニア。

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