The Chronicle of Broadway and me #778(Heathers: The Musical)

2014年6月@ニューヨーク(その5)

 『Heathers: The Musical』(6月11日20:00@Stage 1/New World Stages)は、1989年のマイケル・レーマン監督による同名映画(邦題:ヘザース/ベロニカの熱い日)の舞台ミュージカル化。
 内容の印象は、ダークな『Mean Girls』。であるがゆえのオフ公演なのかも。当時、映画未見だったので、また例によっての“学園もの”かと思って観ていたら主要登場人物が殺されたりして驚いた。

 ヘザーというファースト・ネームの女生徒3人組(ヘザーズ)がキャンパスを仕切る田舎町のハイ・スクールが舞台。その抑圧的な学校生活に嫌気がさしているヴェロニカが、物怖じしない転校生J.D.と知り合って恋に落ち、現状を打破しようと行動を起こすのだが、J.D.には過激なところがあり、混乱が大きくなっていく。
 この手の作品の肝はキャラクターの個性だが、ヘザーズの3人それぞれ、J.D.、事件に関わる周辺の脇役まで、裏表のある感じで丁寧に描かれていて面白い。

 作曲・作詞・脚本は、ケヴィン・マーフィ(『Reefer Madness』)&ローレンス・オキーフ(『Bat Boy: The Musical』『Sarah, Plain And Tall』『Legally Blonde: The Musical』)という、いかにもなコンビ。楽曲はロック的なビートに乗るものが多いが、曲調は多彩で、深みもある。
 演出アンディ・フリックマン。振付マーゲリート・デリックス(『A Class Act』『Wonderland』)。

 ヴェロニカ役のバーレット・ウィルバート・ウィードは、これ以前に『Lysistrata Jones』に、この後に『Mean Girls』に出ているし、ヘザーズの1人ヘザー・マクナマラ役エル・マクルモアは『Bring It On The Musical』に出ていた人。“学園もの”役者的な道筋がありそうな気配。
 印象が強烈なヘザーズの中心人物ヘザー・チャンドラー役のジェシカ・キーナン・ウィンは、MGMミュージカルの名脇役でもあったキーナン・ウィンの孫。この後、途中出演ながら、『Beautiful: The Carole King Musical』の準主役シンシア・ワイル役を何度も演じている。

 2018年にTVシリーズ化されているが、ミュージカル版ではないようだ。

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