The Chronicle of Broadway and me #639(Wonderland)

2011年3月~4月@ニューヨーク(その8)

 『Wonderland』(4月4日20:00@Marquis Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<ルイス・キャロルのアリス物語の現代版。ただし、原作と違ってナンセンスではない。
 娘を連れて夫と別れたアリス(大人)が娘のベッドでウトウトしていると、どこからともなく白いウサギが現れ……。という展開は、どう見ても不安を抱えた主人公の心象風景なのだろうなと思う。
 そこからして、すでに原作のわけのわからない面白さから大幅に後退しているが、出てくる連中もヘンさが足りず、ワンダーな感じがしない。でもって、気狂い帽子屋が悪の張本人であることがわかるに及んで、なんだか変身戦隊ものを観ているような気がしてくる。

 脚本はジャック・マーフィ(作詞も)とグレゴリー・ボイド(演出も)。作曲のフランク・ワイルドホーンと共に『The Civil War』を作ったチーム。なので、まあ、こんなものか、と失礼ながら納得。もちろん(重ねて失礼)、特筆すべき楽曲もない。>

 振付はマーゲリート・デリックス(『A Class Act』)。

 出演は、アリス役ジャネット・ダカル(『Good Vibrations』『In The Heights』)、ハートの女王役カレン・メイソン(『And The World Goes ‘Round』『Mamma Mia!』『You Might As Well Live』)。他に、ダレン・リッチー(『Bells Are Ringing』『Dracula, The Musical』)、E・クレイトン・コーネリアス(『The Music Man』『A Chorus Line』『The Scottsboro Boys』)、ホセ・ラナ(『The King And I』『Street Corner Symphony』『Flower Drum Song』『The 25th Annual Putnam County Spelling Bee』)、ケイト・シンドル(『Legally Blonde: The Musical』)、カーリー・ローズ・ソネンクラー(『Les Miserables』)、エドワード・スタウデンマイヤー(『Martin Short: Fame Becomes Me』)、ダニー・スタイルズ。

 3月21日プレヴュー開始、4月17日正式オープンで、トニー賞授賞式を待たずに5月15日にクローズ。5月3日に発表されたノミネーションに全く挙がらなかったからだと思われる。