The Chronicle of Broadway and me #649(Catch Me If You Can[2]/Anything Goes[2])

2011年6月~7月@ニューヨーク(その9)

 再見のオン2作品の感想をまとめて。

 『Catch Me If You Can』(7月2日14:00@Neil Simon Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<残念ながらトニー賞では主演男優賞(ノーバート・レオ・バッツ)しか獲れなかった『Catch Me If You Can』。が、昨シーズンの新作の中では、作品賞を含め9部門で受賞した『The Book Of Mormon』と甲乙付けがたい充実作。
 どう“いい”かは前回の感想を読んでいただきたいが、再見して特に印象深かったのは、主人公(詐欺師)の人格形成に大きな影響を与える父親を演じるトム・ウォパットのうまさ。悲しみをたたえた深みのある歌声にシビれた。
 ところで、この驚くべき詐欺師の話も元は実話で、アメリカのある種の暗部を描くという意味では『The Shaggs: Philosophy Of The World』と似た空気がないではない。そのあたりが観光客に敬遠される由縁か。もっとも、こちらはユーモラスに描いているが。
 ともあれ、ニューヨークに行って、お時間があれば、ぜひ。>

 前回の感想にも書いた通り、9月4日にクローズすることになる。


 『Anything Goes』(7月3日14:00@Stephen Sondheim Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

前回の感想で、「自分の中で一番盛り上がった」と書いた『Anything Goes』。今回は、この舞台をもう1度観たくなっての渡紐。いやあ楽しかった。
 元々は80年近く前の作品。ストーリーはご都合主義。見た目の現代性皆無。にもかかわらず、ここには現代を生きる僕らの心に届く楽天的な“喜び”が詰まっている。素晴らしい。これがミュージカルだ。
 サットン・フォスターの主演女優ぶり、お観逃しなく。>

 フォスターは、8月と10月に1週間ずつ、11月に3週間ほど休みをとりつつ、翌2012年3月半ばまで出演。その後を受けてリノ・スウィーニーを演じたのはステファーニー・J・ブロックで、公演は2012年7月8日まで続く(ブロック版の感想はこちら)。
 このリヴァイヴァルの元になった1987年のブロードウェイ・リヴァイヴァル版について、上演に到る時代背景やなんかを無料配信音楽誌「ERIS」36号に書きました。よろしければ、そちらもお読みください(→「ERIS」公式サイト)。

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