The Chronicle of Broadway and me #870(A Bronx Tale The Musical)

2016年11月@ニューヨーク(その4)

 『A Bronx Tale The Musical』(11月16日20:00@Longacre Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<ロバート・デ・ニーロが、ベテラン演出家ジェリー・ザックスと共同で演出を手がけているのが話題の作品。
 舞台ミュージカル化までの流れとしては、1989年今回の脚本家でもあるチャズ・パルミンテリの自伝的一人芝居『A Bronx Tale』→1993年デ・ニーロ監督でパルミンテリも出演の同名映画化(邦題:ブロンクス物語/愛につつまれた街)→今回の舞台、となる。

 楽曲は、アラン・メンケン(作曲)とグレン・スレイター(作詞)の『Sister Act』コンビ。
 マンハッタン187丁目のベルモント・アヴェニューでドゥワップ、という幕開きはディオンを想起させ、一瞬、第2の『Jersey Boys』かと思わせるが、(残念ながら、と言うべきか)そうはならない。
 イタリア移民の子として育った主人公が、可愛がってくれるコミュニティのボスと、実直な父、そして恋した黒人の娘の間で揺れ動く、という、スケールの小さい『The Godfather』的な話。
 音楽と物語の結びつきも、あまり有機的でなく、残念ながら、ありがちな人情劇で終わっている。>

 改めてオリジナル・キャスト盤を聴くと、楽曲は必ずしも悪くない。
 アラン・メンケンを起用したのは『Little Shop Of Horrors』的な(つまり’60sポップス/R&B的な)ものを求めてのことではなかったかと思うのだが、そこが中途半場に終わっている。その線でもっと押せば、全体の印象も違ったのではないだろうか。例えば、幕開きに出て来る街角のドゥワップ隊を『Little Shop Of Horrors』のガール・グループのように狂言回し的に多用するとか。
 まあ、話の弱さは補えないとは思うが。

 出演は、コミュニティのボス役ニック・コーデロ(『Bullets Over Broadway『Waitress』)、主人公の父親役リチャード・H・ブレイク(『The Wedding Singer』『Legally Blonde: The Musical』)、主人公ボビー・コンテ・ソーントン(ブロードウェイ・デビュー)、子供時代の主人公役ハドソン・ロバーロ(ブロードウェイ・デビュー)、主人公の恋人役アリアナ・デボーズ(『Bring It On The Musical』『Motown The Musical』『Hamilton』)、主人公の母親役ルチア・ジアネッタ(『Leap Of Faith』)他。

 [追記]

 振付セルジオ・トゥルヒオ(『The Great American Trailer Park』『Jersey Boys』『Next To Normal』『Next To Normal『Saved』『Guys And Dolls』『Memphis』『The Addams Family』『Leap Of Faith』『Hands On A Hardbody』『Invisible Theread』『On Your Feet!』)。