The Chronicle of Broadway and me #565(Sister Act)

2009年8月~9月@ロンドン(その4)

 『Sister Act』(8月28日19:30@London Palladium Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<邦題『天使にラブ・ソングを』で知られる同名ヒット映画のミュージカル舞台化。
 映画では既成楽曲が歌われていたが、ここではアラン・メンケンとグレン・スレイター(舞台版『The Little Mermaid』で組んだ2人)によるオリジナル楽曲が使われている。
 主人公の歌手が殺人を目撃してから修道院に匿われるまでは緩い舞台だと感じたが、その後、空気が変わる。きっかけは、第1幕中盤のエイコ・ミッチェル演じる(主人公を修道院に連れて行く)警官役のソング&ダンスで、このファンキーなナンバーがなければ凡作で終わっていたかもしれない。
 以降、大して話のないところをショウ場面をうまく並べて盛り上げている。主演のパティーナ・ミラーは熱演。愛嬌もあり、舞台栄えがする。
 ブロードウェイを目指していると思うが、それはちょっと厳しいかも。>

 脚本ビル&シャリー・スタインケルナー。
 演出のピーター・シュナイダーは、1980年代半ばから1990年代にかけてウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオを率いて『The Little Mermaid』に始まり『Tarzan』あたりまで続く新時代を創り出した人。ディズニーのブロードウェイ進出時の『King David』『The Lion King』『Aida』は彼の采配で動いたようだ。
 振付アンソニー・ヴァン・ラスト(『Joseph And The Amazing Dream Coat』『Jesus Christ Superstar』『Mamma Mia!』『Bombay Dreams』)。

 主演は、ミドル・ネーム「レネア」のとれたパティーナ・ミラー(『Hair』『Romantic Poetry』)。これがウェスト・エンド・デビューだが、この作品のブロードウェイ版でアメリカに逆輸入。ブロードウェイ・デビューして一気にスターになっていく(『Hair』ブロードウェイ版を蹴って今作出演を選んだのが正解だったというわけだ)。
 修道院長役シーラ・ハンコック。ハワード神父(映画やアメリカ版ではオハラ神父)役イアン・ラヴェンダー。

 前述したように予想に反してブロードウェイに上陸するが、その際、脚本が手直しされ、演出がジェリー・ザックスに替わっている。