The Chronicle of Broadway and me #472(The Pirate Queen)

2007年4月@ニューヨーク(その3)

 『The Pirate Queen』(4月12日20:00@Hilton Theatre)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<紛れもない失敗作。
 『Les Miserables』『Miss Saigon』の脚本楽曲作者コンビ、ブーブリル&シェーンベルクが『Riverdance』のチームと組んで作った、16世紀アイルランドの女海賊を主人公とする作品だが、リヴァーダンス的ダンス場面以外に見どころがない。
 翻訳上演をしようなどと考えないことを祈る。>

 一刀両断すぎて取り付く島もない感想だが、残念なことに祈りが通じず、2009年に翻訳上演が行なわれたようだ。
 この年の3月6日にプレヴュー開始、4月5日正式オープン、トニー賞の候補に引っかかることなく6月17日にクローズ。

 原作はモーガン・リウェリンの小説『Grania: She-King Of The Irish Seas』。
 未読だが、舞台版のキャラクターがみんな紋切り型で深みがないのは原作のせいなのだろうか。それとも舞台版が描ききれていないのか。フェミニズムの視点が強くあるが、それすら紋切り型に見える。
 しかし、エリザベス1世も、スコットランド・クイーン(メアリー・スチュアート)と対峙したり、パイレート・クイーンと対峙したり、忙しい(この二番煎じ感もマイナスだったと思う)。

 スタッフとして、作詞でリチャード・モルトビー・ジュニアとジョン・デンプシーが参加。モルトビー・ジュニアは脚本にも加わっている(ブーブリル&シェーンベルク作品の場合、英語に移植するために言葉に関する作業でいつも誰かが加わるようだ)。
 演出フランク・ギャラティ(『Ragtime』)、振付(ミュージカル・ステージング)グラシエラ・ダニエル(『Once On This Island』『Marie Christine』他多数)、振付(アイリッシュ・ダンス)キャロル・リーヴィー・ジョイス(『Riverdance On Broadway』にオリジナル振付の一員としてクレジットがあるが、ロンドン版にはない)。

 主演はステファニー・J・ブロック(『The Boy From Oz』)。エリザベス1世役はリンダ・バルゴード(『Passion』『La Cage aux folles』)。他に、ジェフ・マッカーシー(『Side Show』『Dream True』『Urinetown』)、マーカス・チェイト(『Urban Cowboy』)、ウィリアム・ユーマンズ(『Titanic』『La Boheme』『Wicked』)。

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