The Chronicle of Broadway and me #516(The Mikado)

2008年6月@ニューヨーク(その5)

 『The Mikado』(6月7日20:00@City Center)について旧サイトに書いた観劇当時の感想(<>内)。

<ニューヨーク・ギルバート&サリヴァン・プレイヤーズの公演は、以前はアップタウンでやっていたが、このところはシティ・センターに腰を落ち着けたようだ。
 『The Mikado』は、ごぞんじのように日本を舞台にしている。この作品ができるまでを描いた映画『Topsy-Turvy』がとても面白かったので、ぜひ生で観たかった。これが大当たり。
 ここまで生き残っている人気の古典なので、楽曲、脚本がよくできているのは当然だが、そこに時事ネタを含む今日的なギャグを自然な形で投入。演出も軽快で、オペレッタの精神を現代に生かした楽しい舞台になっていた。>

 演出のアルバート・バージェレットはニューヨーク・ギルバート&サリヴァン・プレイヤーズの芸術監督でもある。同カンパニーの過去作の感想→『The Pirates Of Penzance』『H.M.S.Pinafore』
 ニューヨーク・ギルバート&サリヴァン・プレイヤーズは、今(2022年)は、St. Michael’s Church(225 W. 99th St.)に活動の拠点を置いているようだ。

 映画『Topsy-Turvy』は、1999年のマイク・リー監督・脚本によるイギリス映画。公開から間もない頃にニューヨークで観た。
 ギルバート&サリヴァンの創作意欲が行きづまっていた1884年、開催されたロンドン万博衛生博覧会を訪れたギルバートが日本(明治17年)から来ていた職人たちの仕事に触れて新たなオペレッタの着想を得る、という展開だが、その職人たちの“明治政府とか西洋とか知っちゃいねえ”的な江戸気質を残した(ただし静かな)毅然とした佇まいが印象的だった。機会があれば、ぜひ。

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